上写真=左サイドで攻撃の起点となった松尾(写真◎J.LEAGUE)
■2020年8月15日 J1リーグ第10節(@ニッパツ:観衆2,938人)
横浜FC 4-2 湘南
得点:(横)松浦拓弥、松尾佑介2、一美和成
(湘)石原直樹、岡本拓也
ラストパスの2人に感謝
自慢の快速でスタンドを何度も沸かせた。この日は4-4-2の中盤左サイドで先発。最も得意とするポジションで持ち味を存分に発揮した。
1-0で迎えた15分、FW一美和成からのスルーパスに抜け出し、瞬時の加速で追いかける相手DFを振り切った。「相手の前にしっかり入れたので、あとはキーパーの動きを見て流し込むだけでした」。最後はシュートフェイントで相手GKもかわし、難なくゴールネットを揺らした。これがうれしいJ1初ゴールとなった。
仙台大に在籍しながら特別指定選手としてチームに加わった昨季はJ2で6得点を記録。今季も得点源として期待されたが、J1では同時に守備のタスクも求められ、なかなかゴールを奪えずにいた。「最近はゴールを決める喜びを忘れていたので、サポーターとともに喜び合えて本当にうれしかった」。公式戦でのゴールは昨年11月16日のファジアーノ岡山戦以来。久々の得点後は、右手を突き上げながらジャンプし、雄叫びを上げた。
20分にはMF松浦拓弥から浮き球のパスを受け、1トラップしてから素早く左足でシュート。ニアサイドの上を突き破る、いわゆる“天井シュート”でこの日2点目をマークした。横浜FCの奥寺康彦会長も「あのシュートは難しい」と絶賛のゴールだったが、本人はいたって謙虚。感謝の気持ちを忘れない。
「1点目も2点目も、周りの選手が僕の特長を生かしてくれた上での得点なので、ラストパスを出してくれた2人には感謝したい。これからは僕ももっとラストパスを出さないといけないし、出し合えるような良い関係を築きたい」
チームは前半だけで4点のリードを奪い、殊勲の松尾は55分にピッチをあとにした。「ハットトリックしたかったので、ちょっと早いなと思いましたけど、次も、その次も試合は続いていくので、ずっとゴールを決め続けられるように努力したい」。J1初ゴールの余韻に浸ることなく、早くも次節に目を向けた。
現地取材◎多賀祐輔 写真◎J.LEAGUE