上写真=鹿島のトレーニングを行なう荒木(写真◎鹿島アントラーズ)
鳥栖戦で手応え「今後もどんどん得点が入っていく」
3日前の夜、J1鳥栖戦で後半14分から出場したMF荒木遼太郎は、美しいゴールの起点となった。右サイドからドリブルで中央へ進み、ペナルティーエリア内を走るFW染野唯月へスルーパス。染野はヒールでMF和泉竜司へとボールを渡し、最後はFWエヴェラウドがゴールに流し込んだ。
「試合に出る前から、監督に、サイドでボールをもらってどんどん仕掛けていけと言われていました。(得点の場面は)中に仕掛けたほうが(サイドから)クロスを上げるより、チャンスになるかなと思って仕掛けて行って、タイミングよく染野が裏に抜けてくれたので、そこに(パスを)流し込んだ。あとは竜司くん(和泉)とエヴェラウドと染野の3人でうまくやってくれたので、良い形でゴールが決まりました。練習で積み重ねてきたことが、あのようにちゃんとゴールとして、一つの結果として出たので、今後もどんどんそういう形で得点が入っていくんじゃないかなと思います」
特に、同級生の染野との連係には自信があるようだ。「同期ということで話したりするので、コミュニケーションは結構取れているかなと。一番コミュニケーションを取りやすいし、一番しゃべっている選手でもあるので、やはり(プレーも)合わせやすい」と言葉をつむぐ。
「(今季が)始まってからあまり勝てず、あまりいい状況ではなかった。その中で若手の自分たちが勢い持って(試合に)入ることで、この前(鳥栖戦)も勝利につながったと思っています。自分たちがそうやって、ちょっとではあるかもしれないけれど、勢いを持ってチームに絡んでいけば、もっともっとチーム全体としてもよくなるんじゃないかなと」
ただ、チームメイトはライバルでもある。それは染野ら鹿島の同期入団の3人や、他のチームで戦うプロ1年目の選手だけではない。
「同期に負けたくないという思い、同い年の選手とか、(年齢が)近い選手に負けたくない思いはあるけれど、サッカーをやっている上では年上の選手も関係なく、自分も負けたくないと思っています。サッカーでは結構負けず嫌いな気持ちもあるので、誰にも負けたくないです」
取材対応での落ち着いた口調や、試合中に淡々とプレーするさまからも、物静かな印象を受ける。だが、実際には静かなる闘志を内に秘めたファイターなのだろう。そのため、勝利へのこだわりも人一倍に強い。
「次の試合(清水戦)も出られたら、自分の持ち味を出してチームに貢献できるように頑張りたい。(応援する)サポーターを裏切らないように、しっかりチーム一丸となって、どんどん勝ち続けていけるように頑張っていきたいです」
負けず嫌いなルーキーは、勝利を求めて戦い続ける。