上写真=前半45分にヘディングでゴールを決めたFC東京の渡辺剛(写真◎J.LEAGUE)
■2020年7月26日 J1リーグ第7節(@カシマ:観衆3,027人)
鹿島 2-2 FC東京
得点:(鹿)エヴェラウド、土居聖真
(F)渡辺剛、森重真人
三田のキックを称賛「これからも武器になる」
鮮やかなヘディングシュートが、カシマスタジアムを静まり返らせた。FC東京が1点を追う前半45分、左からのコーナーキックのチャンスで、MF三田啓貴が蹴ったボールにDF渡辺剛がニアサイドへ走っていって頭で合わせた。ボールは鹿島のGKクォン・スンテの頭上を抜き、ゴールネットに吸い込まれた。
「昨年もタマくん(三田)からのボールで点を取ったりしていたし、練習でもすごく合っていた。自分の欲しいところに走れば、ボールが来ることは分かっていました。あの人(三田)の(キックの)精度の高さというのは、これからも武器になるのかなと思っています」
渡辺は自らのヘディングよりも、今季開幕戦(清水戦)以来の先発出場となった三田のキック精度の高さを称える。直後にも再び三田のコーナーキックからDF森重真人がチーム2点目を決めた。
ただ、後半に同点に追いつかれ、勝利をつかむことはできなかった。「(スコアが)2-1になって、後半を迎えて自分たちの勝ちパターンというか、しっかり守れていれば勝てる試合だったと思う」と振り返るように、センターバックとしては得点を挙げたことよりも、2失点を喫した悔しさのほうが大きいのだろう。
渡辺が特に悔やむのは、鹿島の先制点の場面。鹿島の右サイドからのクロスに対し、ニアサイドへ走り込むFW伊藤翔に釣られた。次の瞬間、渡辺の背後にいたMFエヴェラウドにヘディングシュートを叩き込まれた。
「1失点目は自分のミスからだと思っています。自分の力(ゴール)で(スコアを)振り出しに戻せたことはすごく良かったけれど、失点がちょっと悔やまれる。(前半は)ピンチも少ない中で、ああやって一発のクロスから失点してしまうのは、自分の弱さが出ました。チームとしてはすごく良い守備ができていたので、これから先はあのような失点を減らしていかないと、勝てる試合でも勝てなくなるのかなと」
プロ2年目ながら、左腕にキャプテンマークを巻く責任もあるのかもしれない。「反省点が多い試合だった」。鹿島から奪い切れなかった勝ち点2の意味を次なる戦いへの課題とし、渡辺はこれからもFC東京の壁となり続ける。
現地取材◎サッカーマガジン編集部 写真◎J.LEAGUE