上写真=ピッチサイドから指示を送るザーゴ監督(写真◎J.LEAGUE)
■2020年7月22日 J1リーグ第6節(@BMWス:観衆3,498人)
湘南 1-0 鹿島
得点:(湘)石原直樹
乏しい攻撃のアイデア
またしても悪循環に陥った。ボールを支配しながら得点を奪えず、先制点を献上。その後は相手に守りを固められ、そのまま試合終了のホイッスルを迎えた。敗戦後、ザーゴ監督は次のように振り返った。
「予想通りの試合展開になった。一方のチームが攻撃して、もう一方のチームが守備をする。彼らの戦法は分かっていたが、そのまま実行された。先制点のチャンスがあったが、それを決めることができず、一つのセットプレーから失点してしまった。そのあとも同点、逆転のチャンスがありながら、それを決めることができなかった」
少ないチャンスを物にし、勝利をもぎ取る。それは鹿島の専売特許だったはず。だが、今季の鹿島は相手にお株を奪われてばかりいる。
ザーゴ監督の下、リアクションサッカーからの脱却を目指す今季。湘南戦でも最終ラインから攻撃を展開するスタイルを貫いたが、つなぎの部分でミスを犯し、簡単にカウンターを許す場面も見られた。「ボールは保持できたけど、自分たちの目指しているサッカーはできなかった」と語ったのは、この試合でキャプテンマークを巻いた永木亮太。理想と現実の差はいまだ大きい。
攻撃サッカーを掲げるものの、敵陣での崩しのアイデアが乏しく、最終的にクロス一辺倒となる悪癖も改善されていない。前節の横浜F・マリノス戦では上田綺世がクロスから2得点を挙げたが、湘南戦ではゴール前を固められ、頼りのエースも不発。今季4度目の無得点に終わった。
ACLプレーオフ、ルヴァン杯も含めると今季公式戦の戦績は1勝7敗。それだけにザーゴ監督の「やっていることは間違っていない」という言葉もむなしく響く。前節の初勝利で光が見えたかに思われたが、トンネルの出口はまだ遠い。
現地取材◎多賀祐輔 写真◎J.LEAGUE、Getty Images