明治安田生命J1リーグが7月22日に迎える第6節。FC東京は北海道コンサドーレ札幌とのアウェーゲームだが、この「札幌マッチ」はここ3年で1分け2敗と分が悪い。リベンジを狙う長谷川健太監督は最大級の集中力を求めている。

上写真=連勝で雰囲気はいい、と長谷川監督。自身からも笑みがこぼれる(写真◎FC東京)

どちらが決めきるか

 2013年以来、どうしても勝てなかった浦和レッズに、土曜日の夜に2-0で快勝したFC東京。横浜F・マリノス戦から続けて難敵を下し、さらに調子が上向いて札幌に乗り込む。

 浦和へのリベンジは見事だったが、「もう一つのジンクス」と呼べそうなのが、このアウェーでの札幌戦だ。2017年は東慶悟が序盤に先制しながら2点を奪われて逆転負け、長谷川健太監督が就任した18年はディエゴ・オリベイラとチャン・ヒョンスが決めて2-0としながら後半に大逆転を食らってまたも黒星、そして19年も渡辺剛が自身リーグ戦初ゴールで先制したものの、やっぱり追いつかれて1-1。札幌がJ1に復帰してからのこの3年、一度も勝てずじまいなのだ。

「斬るか斬られるかのゲームが続いています。明日もそういう試合になると思っています」

 長谷川監督は最大級のアラートを発信している。過去に対戦したときの内容や結果からもそうだし、ここまでの札幌の戦いぶりや選手の状況を踏まえた上での警戒心は強い。

「向こうも攻撃的な戦術を採用していますし、攻撃的なタレントのいるチームで、一瞬でも気を抜けばやられてしまうと思います。でも、こちらもチャンスがあると思うので、どちらが決定機を決めきるかという試合になります」

 札幌は第3節の鹿島アントラーズ戦でFW鈴木武蔵が足を痛めており、次の試合にも間に合わないと目されるが、だからといって安心はしていない。

「ジェイは出てくると思います。ドゥグラス・オリヴェイラも前節の仙台戦で先発していて、非常に大柄ですけれども足元もうまくて、どんどんフィットしていると感じています。鈴木武蔵選手がケガをしていてもそれを埋めるだけの選手がいると思っていますし、大卒の若手選手も活躍しています。うちもそうですが、選手が抜けたところを巡ってチーム内で新しいポジション争いが生まれているし、前節は0-2から、しかも10人で追いついていい形でホームに帰ってきたと思うので、士気高く戦ってくるでしょう」

 ベガルタ仙台戦の後半アディショナルタイムに決めて、勝ち点1をもぎ取ったのは、その大卒の若手の一人、田中駿汰だった。

 こちらは守備の中心だった橋本拳人がロシアのFCロストフに移籍したという変動がある。これがどう出るか。

「もちろん日本代表の選手が外れたわけですから大きな損失というか戦力ダウンという風になりますが、そこはもうチーム全体で埋めていくしかないと思っています。いろいろと考えなければならないところが出てくると思いますが、新旧いろんな選手を試しながら拳人の穴を全体で埋めていければと思っています」

 その「いろいろ」の一つが今回の札幌戦でお披露目されることになるかもしれないが、あえて「チーム全体で」を強調して団結へのきっかけにするつもりだ。

 いずれにしろ、赤黒対青赤の90分は丁々発止の激戦になること間違いなし。長谷川監督の言うように、シビアな局面で決めきる力は、果たしてどちらにあるだろうか。


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