上写真=ザーゴ監督は攻撃のデータを見せて選手に自信を与える(写真◎鹿島アントラーズ)
攻撃の回数、シュート数が一番多い
「自信を失う必要などない」
鹿島アントラーズのザーゴ監督は毅然とした表情で強調した。恒例となったオンライン会見の場で明かしたのは、「数字のことを言い過ぎるのは好みではないが」と前置きした上で引用した攻撃の有効性に関するデータだった。
「選手にも話したのだが、あるデータを見れば、鹿島はJリーグで最も攻撃の回数が多く、シュート数も一番多いと出ている。しかし、得点はゼロだ。残念なことだが、私がやろうとするサッカーを選手たちが表現しようとしていて、それが数字に表れているのは喜ばしい」
「チャンスを作っているし、ずっと無得点ということはない。一つ入れば自然と入ると思っている。チームとしてやるべきことをするのが大事なんだ」
今季は公式戦5試合で全敗。3連敗中のリーグ戦で挙げた得点は再開初戦の川崎フロンターレから奪ったわずかに1で、しかもオウンゴールによるものだった。
だからといって、何かをあきらめてはいけない、というザーゴ監督の鼻息は荒い。
「私が求めているものは、再開後にはだいぶ表現できるようになってきた。いまはそれを結果に結びつけなければいけないという新たなプロセスの中にある」
「みんなが連動して、いまやるんだ、というボールの動かし方には、理解力、実行力ともに表れているし、守備も連係、連動が高まって良くなっている。データでは攻撃の回数が一番多く、チャンス構築率もリーグで一番。ほかにも一番になっているものがあって、やっていることは間違っていないということの表れだ。いまは勝利に結びついていないが、やり続ければ結果が出ると信じている」
最初の「結果」を出すのは、7月12日になるだろうか。第4節の相手は浦和レッズだ。こちらは今季公式戦無敗である。ポイントは浦和の速攻にあるという。
「浦和はカウンターを狙ってスピードのある選手を前線に配置している。だから、鹿島の選手たちにはカウンターのためのスペースをつぶすことを要求していて、それをやり続けなければならない」
「日本サッカー界のビッグクラブで、いまではこの対戦は『日本ダービー』の一つだ。そんな相手に対してしっかりと自分たちの絵を表現したい」
そう意気込むザーゴ監督。それだけのビッグゲームなのであれば、気持ちよく勝ったそのときにはまるでオセロゲームで大逆転するかのようにこれまでの苦しみが一気に晴れるかもしれない。