上写真=右サイドバックで先発した内田篤人。60分までプレーした(写真◎小山真司)
■2020年7月4日 J1リーグ第2節(@等々力)
川崎F 2-1 鹿島
得点:(川)谷口彰悟、長谷川竜也
(鹿)OG
また次、チャレンジしてやろう
試合後のオンライン取材に登場した内田篤人の表情は明るかった。川崎Fに敗れはしたが、ゲーム内容に可能性を感じたからだ。
「たぶんみんな思っていると思うんですけど、もっとできるはずだと。チームも僕自身もそうですけど、準備してきたものが発揮できなかったというか。そういう思いは選手の中でけっこうあったはずで。なので、試合が終わった後のロッカーでもそんなに暗くなかった。また次、チャレンジしてやろうという雰囲気のほうが強かったですね。もちろん、ゲームが始まって勝たなければいけないんですけど、後半なんかはボールがまわって押し込める時間もありましたし、悪いことばかりではなかったかな」
再開初戦を迎えるまで、連日行なわれたオンライン取材でも、鹿島の選手たちはチームの成長を口にしていた。キャプテンの三竿健斗も「2月の頃とは大きく違う」とザーゴ監督が求めるサッカーの浸透度や選手の理解度について話している。4カ月ぶりの公式戦を終えて内田が代弁したのは、そんな選手たちの思い。実際に試合をして、今チームが取り組んでいる新たなスタイルに可能性を感じられたのは収穫だった。
内田自身も、すでに切り替えて、未来を見据えている。家長昭博のクロスに被ってしまい、長谷川竜也にゴールを許したことはしっかり反省しつつも、しかし引きずることなく中3日でやってくる次節以降の戦いに目を向ける。こんな『覚悟』を口にした。
「運営に関しては色んな人が関わってやってくれましたし、準備というのも、大変だったと思いますがやってもらえて。僕はJリーガーに憧れてサッカーを始めました。キングカズに憧れてね。そんなJリーグで、これだけ長い中断期間というのは今までなかったと思います。その中で自分たちが歩みを止めないというか、僕らがまた歴史をつくっていくという感じでいます。Jリーグを僕らで止めない。いま、感染者がまた増えてきていますし、今後どうなるか分からないですけど、選手だけでもできないし、お客さんがいないと淋しいですけど、僕らでJリーグを止めない、と思っています」
鹿島の勝利を目指すのは当然で、Jリーガーとしてリーグの繁栄を願うのは必然だ。内田は、その思いと覚悟をこれからもピッチで見せていく。
取材◎佐藤 景 写真◎小山真司