上写真=ユースチームとの練習試合でプレーするDF山本(写真◎鹿島アントラーズ)
「求められていることを意識しながら」
7月4日のJ1リーグ再開に向けて準備を進める中、6月16日にDFブエノの移籍が発表された。再開後は過密スケジュールによる総力戦となることが予想されるが、その矢先に守備陣の主力の一人を失ったことは、鹿島にとって痛手だろう。
そんな中、6月17日に行なわれたユースチームとの練習試合では、本来はサイドバックでのプレー機会が多いDF山本脩斗もセンターバックの左を務めた。「経験はそんなに多くはないので、不慣れなところはあります」と話すも、「(ザーゴ監督から)求められていることはミーティングなどで言われているので、それをできるだけ意識しながらプレーしています」と、本職ではないポジションでのプレーに努めている。
実は、「2、3年前からセンターバックも練習でやっていた」と言う。「いろいろなポジションをやることによって、前の選手やサイドバックの動かし方だったり、(サイドバックでプレーする)普段は見えないところも見えてくるので、プラスにとらえて日ごろからプレーしています」と、慣れないポジションへの挑戦を前向きに捉えている。
また、「必然的に右足で(ボールを)持つことで、中を見るというか、(視野が)そういう角度になっていくので、逆サイドは見やすくなるかな」と、右利きの山本が左センターバックでプレーすることで生まれる効果を分析する。「左利きと右利きの違いはありますけれど、右足で持ってカットインしたり、中に切り込んでいくような動きは、右利きのメリットかなと思っています」
開幕から公式戦白星を挙げられていない鹿島だが、リーグ再開後は勝利を重ねるべく、中断期間のトレーニングでチームの成熟を図る。「中断期間になって、またゼロからのスタートだと思います。練習試合、練習を含めて競争ですが、再開に向けて、チームとしての完成度を高めなければいけない。それぞれ(の選手)が高い意識を持って、チームのためにプレーしていければいいです」
鹿島で数々のタイトル獲得を経験してきた守備職人が、ディフェンスラインの中央でチームを支える。