Jリーグは8日、日本プロ野球機構(NPB)との第9回新型コロナウイルス対策連絡会議を開催。会議後にwebで合同記者会見を実施した。その中では事前検査や陽性反応者が出た場合の対処法、観客ありの試合開催について専門家チームの見解が示された。

上写真=Jリーグは再開に向けて準備を進めている(写真◎J.LEAGUE)

データをもとに政府基準の再考も

 Jリーグは再開に向けて、症状の有無にかかわらず、全選手・スタッフのPCR検査を実施すると発表している。この日の会議では、事前検査の体制やチーム内に陽性反応者が出た際の対処方法などについても、専門家チームの見解が示された。

 緊急事態宣言が解除され、チーム全体での練習が始まった矢先の今月2日には金崎夢生、7日にはランゲラックと、名古屋グランパスの選手に相次いで新型コロナウイルスの感染が確認された。現在チームは全体練習を休止中。今後、リーグ再開に向けて全クラブが事前検査(スクリーニング的に検査)を実施するとなれば、さらに感染が確認されることも想定される。実際、ランゲラックは無症状ながら任意で受けたPCR検査で、陽性反応が出た。

 ただ、専門家チームは「未知のウイルスに対しても日進月歩でデータが蓄積されてエビデンスが構築されており、これまでとは異なる取り組みが、今後は必要」との考え。蓄積されたデータをもとに、今後はたとえば濃厚接触者の隔離期間の基準の変更について、政府へ働きかけることも必要とした。

 また、この日の連絡会議では7月10日以降とされる「観客ありの試合開催」についても言及している。東北大の賀来満夫教授は「国が段階的な緩和を考えており、7月10日からある程度、5000人規模の人が入るイベントを開催してもいいとあるが、やはり注意しながらやらなければならない。有観客の場合も試合前後の交通機関や食事なども含めた総合的な対策を取ることが必要。段階的に進めるのが望ましい」と話した。

 実際、数千人規模で観客を集め、スタジアムの内外でソーシャルディスタンスを保つことは難しいが、その方法についても今後、議論を深めていくことになる。事情は異なるものの、すでにスポーツイベントを開催している台湾などの例も参考にしながら、引き続き状況を見て検討していくという。

 6月5日の臨時理事会後の時点で、Jリーグの村井満チェアマンは「再開日を延期する検討はしていない」と話している。現時点においても、その姿勢は変わらない。再開に向けて準備を進めている中、明日9日のJリーグ実行委員会後に、より詳細なプロトコル(実行手順)を示す予定だ。


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