あの頃があるから今があるーー。この連載では大学時代に大きく成長し、プロ入りを果たした選手たちを取り上げる。J戦士は大学時代にどんな選手だったのか。第1回は、明治大からプロ入りしたFC東京のMF三田啓貴だ。

最後に選んだのはやっぱり古巣

画像: 今季の開幕戦、清水エスパルス戦に先発した三田(写真◎J.LEAGUE)

今季の開幕戦、清水エスパルス戦に先発した三田(写真◎J.LEAGUE)

 最終学年の12年シーズンは7得点・7アシストと大暴れ。当然、他クラブのスカウトも大学指折りのゲームメーカーを放っておかなかった。特にジュビロ磐田は熱心に勧誘したが、最後に三田が選んだのは古巣だった。

「アカデミー時代にお世話になった人がたくさんいますし、感謝の思いもあります。やっぱり、裏切れないです」

 21歳の言葉には4年分の思いが詰まっていた。明治大では、入学前に想像もしなかった経験を多く積んだという。体育会系特有の厳しさに面食らったことは一度や二度ではない。

 朝9時から夕方6時まで寮で電話番を務めたり、風呂掃除からドレッシングの買い出しまで、ありとあらゆる雑用をこなした。

「僕は寮生でもないのにいろいろやりました。時には理不尽だと思うことはありましたが、それも良い勉強になった。耐えるメンタルがついたかな。厳しい大学生活を送ったことで人間的に成長できたと思います。これからどんなことがあっても腐らないし、やっていく自信があります。FC東京のファン・サポーターの方に早く認められるように頑張ります」

 苦労を重ねた大学4年生の表情には、充実感がにじんでいた。

 2012年夏の誓いから8年ーー。今年9月には30歳を迎える。いまやFC東京には、欠かせない存在となった。味スタには親しみのこもった「エル・マタドール・タマ」のチャントがこだまする。

 現在は新型コロナウイルスの感染拡大により、Jリーグは中断しているが、今季も「タマ」の歌が響き渡るはずだ。

みた・ひろたか◎1990年9月14日生まれ、東京都出身。FC東京の下部組織で育ち、明治大を経て、2013年にFC東京に入団。2016年からベガルタ仙台でプレーし、活躍。2018年にヴィッセル神戸に移籍し、翌19年途中に古巣・FC東京に復帰した。正確なキックで攻撃を司り、献身的な守備でチームを支えるMF。173㎝、65kg

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