3月18日のリーグ再開に向けて練習を続けているFC東京がメディア対応を行なった。長谷川健太監督は試合が開催されないこの中断期間をいかに使い、チーム状態を維持しているのか。現状と今後にについて語った。

上写真=FC東京は4日、強度を落とさず激しい練習を行なった(写真◎福地和男)

しっかり勝って力を証明する

 新型コロナウイルスの影響で、リーグ戦が中止となり、ACLも延期が濃厚の状況となっている中で、FC東京は3月18日のリーグ戦再開に向けてトレーニングを行なっている。

 メディア向けに練習が公開された4日、長谷川監督が取材に応じ、チームの現状について語った。

 まずはコンディションについて。

「基本的にはうちはコンディションを維持しながら、という形でやっています。また、この期間をうまく使いながらコンビネーションだったり、組み合わせだったり、一節(清水戦)を踏まえて足りないところを補っていくようなトレーニングをして、18日の再開に向けて準備をしています」

 練習内容について。

「先週は選手も不安がありつつ、練習も気もそぞろという感じだったんですが、今週からは18日に向けて、集中してやってくれていると思います。一応、7日と11日に練習試合を組んでいます。7日はある程度、時間をセーブしながらということになりますが、11日は普通に準備をしながらになると思います。
(先週は)練習のメニューも、選手は乗ってこないので、少しこちら側で考えないといけなかった。例えば戦術的なトレーニングをやってもあまり(頭には)入らない。だからゲーム形式やボール回し系を多くしたりとか、やっぱり体を動かしながら、ボールもしっかり触ってというところで、ゲーム性がないとなかなか集中できないなという感じでした。
 でも今週はもう、通常通りにやっています」

 Jリーグからアナウンスされている通り、現状ではリーグ戦は18日に再開される予定だ。「現場としてはそれに向けて準備するしかない」と指揮官は語り、この期間をポジティブにとらえていた。

「(東)慶悟にしても(永井)謙佑にしても(安部)柊斗にしても、治療の期間にあてることができるという意味ではポジティブだと思いますし、また、そういう間に違う選手が試合に出て、アピールするチャンスという意味でも非常にポジティブではないかなと思います」
 
 通常なら次の試合に向けて、ある程度メンバーを固定する中でトレーニングすることになるが、現在はまったくのフラットだという。そして主力が不在の中で新たな選手の台頭にも指揮官は期待を寄せた。リーグ戦が延期されたことで、ただでさえ五輪開催の影響でタイトだった日程が、さらにタイトになることが予想されている。その意味からも、新しい力の台頭は欠かせないだろう。

「まだACLの日程がフィックスしたわけではないですが、日程変更は仕方がないこと。(昨季のアウェー)8連戦も仕方がなかったですし、今年のこういう状況も仕方がない。そういうことを乗り越えてしっかりと勝つことができれば、われわれの力を証明できると思います。どのチームも似たような状況の中で戦わないといけないと思いますし、ACLに出ているチームはわれわれだけではないので。逆に色んな選手が出て活躍する場もあると思う。チーム一丸となって今シーズンを戦っていきたい」

 まだまだ予断が許さない状況ながら、現場としてはしっかり戦えるように、再開に向けて準備するよりほかないと指揮官は話す。

「(3・11の)震災のときもそうでしたが、Jリーグが止まって、GWくらいからの再開になったと思います。やっぱりファン・サポーターに喜んでもらうために、もちろん、自分たちが勝って結果を残したいというのはありますけど、プロのスポーツは誰のために、と言ったら、支えてくれる人たちに喜んでもらうためにやっているわけです。そういう人たちが安心してスポーツ観戦できないとか、見に来られないという中で、試合をしても仕方がないと思います。
 やっぱりこういうことが早く終息に向かって、安心してJリーグをまた見に行きたいと思う環境にならないと、なかなか難しいと思います。それを願いつつ、しっかりとわれわれは再開に向けて準備していきたいと思います」

 できることを全力で。最後に笑ってシーズンを終われるように、長谷川トーキョーは今、力を蓄えている。


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