上写真=前日練習ではリラックスした雰囲気も漂わせた城福監督(写真◎石倉利英)
「また来たいと思われる試合を」
サンフレッチェ広島は2月23日のJ1リーグ開幕戦で、ホームのエディオンスタジアム広島に鹿島アントラーズを迎える。22日は試合会場の同スタジアムで前日練習が行なわれ、約1時間にわたって連係プレーなどを確認した。
広島は2月16日のルヴァンカップ・グループステージ第1節で横浜FCを2-0で下し、今季初の公式戦を白星で飾った。対する鹿島は同日のルヴァンカップで名古屋グランパスに0-1で敗戦。1月28日にはAFCチャンピオンズリーグのプレーオフでもメルボルン・ビクトリー(オーストラリア)に0-1で敗れ、無得点のまま公式戦2連敗と調子が上がっていないが、城福浩監督は相手をリスペクトしつつ、こう語った。
「彼らは一番のストロングポイント、鹿島は何ゆえ勝ってきたのか、ということを強く意識して、それを全面に押し出してくる。そう思ってピッチに立った方がいい」
Jリーグ最多タイトルホルダーの底力は、これまでの監督経験でよく分かっている。「もともと球際の強いチームですが、我々は笛が鳴るまでプレーする。レフェリーに(ファウルだとアピールして)両手を広げるような瞬間があってはならない。自分たちらしくサッカーをやることに徹したい」。相手の調子に関係なく、プレシーズンから積み上げてきた自分たちのスタイルをぶつけるつもりだ。
2月21日の湘南ベルマーレ-浦和レッズ戦では、史上初のVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)によるPKの判定があった。映像を見た指揮官も、プレーで注意すべきことなどを再確認したという。
「そこで流れが変わることが十分あり得る。ありきたりな言葉だが、(VARでプレーが途切れた後は)やはり集中し直さなければいけない。そのためにはお互いに声を掛け合い、鼓舞し合うことが大事。また何より、ペナ(ペナルティーエリア)の中に侵入することが大事である、あるいはペナの中に侵入されることが危険であると、あらためて感じました」
鹿島戦は約2万人の観客動員が見込まれている。自身も地元のテレビ番組に出演するなど、アピールに努めてきた城福監督は、「サンフレッチェ全体が努力して、多くの方が来られる可能性があることを無駄にしたくない。また来たいと思われる試合をすること、それに尽きる」と言葉に力を込めた。また来たいと思われる試合、それが何より勝利であることは選手・スタッフの誰もが分かっている。
文◎石倉利英 写真◎石倉利英