サンフレッチェ広島MF青山敏弘が、プロ17年目の開幕を控えて静かに闘志を燃やしている。開幕前日の2月22日は34歳の誕生日で、チームメイトからの祝福も。1年前とは大きく異なる状況で、J1リーグのスタートを切る。

上写真=前日練習で笑顔を見せる青山。心身ともに充実した状態で鹿島戦に臨む(写真◎石倉利英)

「鹿島は鹿島で合わせてくる」

 エディオンスタジアム広島で行なわれた前日練習が終わり、円陣が解けた瞬間に選手たちの歓声が上がる。チームメイトの『標的』となり、よってたかって頭から水をかけられていたのはMF青山敏弘。この日は34歳の誕生日とあって、手荒い祝福を受けていた。

「去年は苦しい状態の誕生日だったので…。今年はいいですね、みんなに笑顔でお祝いしてもらって」

 そう振り返る言葉には、実感がこもっていた。昨年はシーズン開幕前の1月に日本代表としてアジアカップに臨んだものの、大会途中に右膝痛で途中離脱。33歳の誕生日はリハビリ途上で迎え、その後も復帰までに長い時間を要した。だが今年はキャンプからフルメニューをこなし、2月16日の今季公式戦初戦、横浜FCとのルヴァンカップ・グループステージ第1節も先発フル出場。心身ともに充実した状態で、23日のJ1リーグ開幕戦、鹿島アントラーズ戦に臨む。

 作陽高(岡山)から2004年に広島に加入し、プロ17年目を迎えるとあって、リーグ開幕といえども肩に力は入っていない。「自然体でやりますよ。あらためて思うこともないし、やってきたことを思い切りぶつけるだけ」。今季公式戦2連敗中の鹿島については「まだエンジンはかかっていないと思うけど、鹿島は鹿島で合わせてくる。要注意ですね」と気持ちを引き締めている。

 鹿島戦は積極的なプロモーションを行なったこともあり、約2万人の観客が予想されている。「自分たちへの期待の表れだと思う。ファン・サポーターの気持ちが、そういう人数に出ているので、しっかり期待に応えたい。勝利を共有したいです」。広島の力を結集しての開幕戦勝利に向けて、円熟のボランチが気持ちを高めている。

文◎石倉利英 写真◎石倉利英


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