サンフレッチェ広島を率いて3年目を迎えた城福浩監督は昨季、世代交代を進め、チームを新しいサイクルへと導いた。引き続きタイトルを狙えるベースを作りつつ、上位を目指して2020年シーズンに臨む。

上写真=キックオフカンファンレンスで取材に対応する城福浩監督(写真◎J.LEAGUE)

世代交代2年目のシーズン

 広島は、過去に世代交代をはかる中で降格を経験した過去がある。チームが新しいサイクルに入ったときに、いかに戦い、変化を遂げるか。指揮官は今まさに、その難しい仕事に取り組んでいる。

「サンフレッチェというクラブの規模を考えたときに、どうやってタイトルを取るかというと、若い選手を成長させない限り難しい。彼らがピークのパフォーマンスを迎えるときに、タイトルを狙えるチームになるというのは、10年前に証明されていることです。その途上では2回、J2に落ちている。でも、試合に出続けた選手たちがいて、それで彼らが30歳前後のときにタイトルを取っているわけです。そのサイクルじゃないときに、このクラブの規模では勝てない現実がある。選手の獲得競争では勝つことができませんから。
 そこで去年、世代交代をスタートしました。もちろん、僕らはもっと上の順位を目指したかったですが、ほかのクラブが世代交代にどれだけ苦労したかを考えたら、選手たちはよく頑張ってくれたと思います。僕は(就任)3年目ですけど、その意味でチームとしては2年目ということで去年よりはもっと良いものを見せられると思います」

 もっと良いものとは具体的に何か。

「攻撃ですね。守備は去年も、全体で2番目に少ない失点数だったので。守備のレベルをチーム全体で保ちながら、もっともっと点を取るということはチームでも言っていますし。我々がサイドでパスを30本、40本つないで点を取るというスタイルは一つ築けていますけど、それ以外で点を取るというところはもっと増やしていきたいと思っています。
 攻撃方法はもちろん一つじゃないです。ただ、例えばショートカウンターで点を取るにはまず相手を押し込まないとダメなんですよ。相手を押し込んで押し込んで、(ボールを)取って取り返して、また押し込んで取り返して、たぶん3つ目くらいのショートカウンターで得点になるくらいのことを考えないと。われわれは奪ってカウンターばっかりを考えるチームではないので、まずを相手を押し込むということが大事なる」

 攻撃面のブラッシュアップに取り組み、その成果は徐々に出始めている。今季はルヴァンカップが先に開幕する変則的な日程だが、準備に抜かりはない。
 新しいサイクルの中で、上位を目指す城福サンフレッチェの新シーズンが始まる――。


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