首位鹿島がホームに浦和を迎え、1-0で勝利。前半こそシュート3本に抑えられるなど、浦和ゴールへと迫る場面は限られたものの、後半に途中出場したFWセルジーニョが72分に決勝点を奪取。勝ち点3を積み上げ、首位をキープした。

上写真=決勝ゴールを挙げたセルジーニョと大岩監督が喜び合う(写真◎Getty Images)

■2019年11月1日 J1リーグ第30節
鹿島 1-0 浦和
得点者:(鹿)セルジーニョ

鹿島は「サポーターあってこそのクラブ」

 ケガで離脱していたMFレオ・シルバ、三竿健斗、FW伊藤翔が先発復帰。3シーズンぶりのリーグ・タイトル奪還へ、終盤戦で陣容を整えつつある鹿島が、浦和に完封勝利を収めた。決勝ゴールを挙げたのも、10月6日のC大阪戦(28節・○1-0)以来、約1カ月ぶりの公式戦出場となったブラジル人アタッカーだった。

「(ゴール前でFW土居聖真が)こぼれ球をシュートして、相手キーパー(福島春樹)のファインセーブに阻まれたんですけれど、(そのこぼれ球を)僕は(ゴールの)上へ蹴ろうと狙っていたので、うまく狙い通りにシュートを決めることができたかなと思っています」

 右サイドバックの永木亮太や、左サイドバックの町田浩樹も絡んだ鹿島の波状攻撃をFWセルジーニョが右足で締めくくった。ゴールネットが揺れた瞬間、歓喜に沸くゴール裏のサポーターに向かって、右手を突き上げた。

「たぶんチームメイトも、サポーターも、僕のゴールを待ちわびていたと思う。だから、自然とサポーターのもとへと喜びに行っていました。このクラブは、サポーターあってこそのクラブ。(リーグ戦は)あと2試合ホームでやりますけれど、彼らの後押しがなければ我々は力を発揮できませんので」

 セルジーニョ自身はリーグ戦12点目のゴールとなり、J1得点ランキング4位タイに浮上。1位に“2点差”と迫った。それでも、狙うのは個人タイトルよりも、あくまでチームの栄光だ。

「いつも“チームの手助けになれば”という思いでピッチに立っているんですけれど、そのご褒美として、僕がチームメイトを代表して、得点したということ。一番重要なのは、みんなで勝ったということです。結果的に得点王になることができればうれしいけれど、(チームとしての)タイトルを取りたい思いが先行していますね」

 30節浦和戦終了時点でリーグ最多の勝ち点59を獲得し、得失点差でも2位FC東京に10点差、3位横浜FMに7点差と、大差をつけている。残り4節すべてで勝利できれば、J1優勝に手が届くと言っても過言ではないだろう。

「(大岩剛)監督からは(浦和戦前に)『5回の決勝戦がある』と言われて、まさに決勝を戦う気持ちで臨みました。大事なのは1位で居続けること。(リーグ優勝は)自分たち次第だと明白になっているので、今日のような気持ちとスピリットを全員が持って、やり続けなければいけない。それができれば、自ずと結果はついてくるのではないかなと思っています。(今後の試合も)相手への敬意と謙虚さを持って、我々がやるべきことをしっかりと実行していきたいです」

 戦列に復帰したブラジル人は、鹿島に21個目のタイトルをもたらすべく戦い続ける。

取材◎小林康幸

関連記事

サッカーマガジン 2019年12月号


This article is a sponsored article by
''.