第101回全国高校サッカー選手権の準々決勝が7日、行われた。東京・国立競技場では鹿児島県代表の神村学園と岡山県代表の岡山学芸館が対戦。互いに点を取り合った試合は90分で決着つかず、PK戦へ。4人全員が決めた岡山学芸館が初の決勝進出を果たした。

上写真=勝ち越されても諦めずに追いついた岡山学芸館がPK戦を制し、初の決勝進出を決めた(写真◎小山真司)

■2023年1月7日 全国高校サッカー選手権 準決勝(@東京・国立競技場)
神村学園 3-3(1PK4) 岡山学芸館
得点:(神)福田師王、大迫塁、中江小次郎
   (岡)田口裕真、今井拓人、岡本温叶

冷静さと大胆さが光ったPK戦

 開始6分、岡山学芸館が鮮やかな展開から先制に成功した。GKのロングキックを相手にクリアされるが、そのボールを拾って素早くサイドに展開。左からのクロスに田口裕真が飛び込み、ゴールにボールをねじ込んだ。

 田口の2試合連続ゴールで勢いに乗った岡山学芸館はその後も出足の早い守備と縦への意識、サイドを使った攻撃でゴールに迫っていった。しかし、神村学園も中央をしっかり閉じて対応。すると38分、ついに同点ゴールが生まれる。

 福田師王がポストになって落としたボールをボックス手前やや左から金城蓮央がシュート。GKが弾いたところに誰よりも早く福田が反応し、右足アウトでプッシュしてネットを揺らした。

 1-1で迎えた後半、今度は立場を入れ替わる。先に2点目を取ったのは神村学園だ。59分、ボックス手前で得たFKの場面で、キャプテンの大迫塁が直接決めてみせた。左足で蹴ったボールは壁に当たって方向が変わりネットイン。勝ち越しに成功した。その3分後だ。前半とは異なり、追う立場になった岡山学芸館がサイドを攻略して同点に追いついた。

 62分、山田蒼がドリブルでボックス左から進入。クロスを送ると今井拓人がDFを背負いながらトラップし、反転シュート。2試合連続のゴールで2-2とし、試合を振り出しに戻してみせる。

 互いに攻撃力をぶつけ合う展開となる中、65分過ぎから試合はますます加速していった。神村学園がまたもセットプレーで勝ち越しゴールを決めた。69分、右CKの場面で大迫が蹴ったインスイングのボールを中江小次郎がマーカーに付かれながらも競り合いに勝ってヘディングシュートを突き刺した。

 だが、ここでこの試合のピリオドは打たれなかった。再び1点リードされた岡山学芸館が鋭いカウンターから同点弾を決めたのだ。左サイドを駆け上がった今井がボックス手前で右にいた岡本温叶にパス。岡本のトラップは浮いてしまったが、シュートを打てる位置のボールをコントロールすると、左足を一閃。ゴール左に叩き込み、3-3のタイスコアに戻した。神村学園の守備陣も懸命に戻り、人数はそろっていたが、この場面では岡本のシュート技術が上回った。

 最後まで攻め合った両校だったが、試合は90分で決着つかず、PK戦に突入することになった。先攻の岡山学芸館が1人目の岡本、そして2人目の木村匡吾から3人目の山田蒼、4人目の井上斗嵩も迷いなくゴール左隅の難しい場所に蹴り込んで全員が成功したのに対し、後攻の神村学園は2人目の西丸道人、3人目の福田が失敗。2年生GK平塚仁の見事なストップも光った岡山学芸館が、PKを4-1として勝ち抜けを決めた。

 同校にとって、初めての決勝進出。9日の試合で岡山県勢初の優勝を目指す。


This article is a sponsored article by
''.