8月22日のインターハイ(全国高校総体)男子決勝で青森山田高に敗れ、初の日本一を逃した米子北高。試合後、指揮官は歓喜に沸く青森山田の選手たちの様子をスマホで録画し、冬への巻き返しを誓った。

上写真=青森山田高の選手たちの喜びの輪に近づき、スマホで録画する米子北高の中村真吾監督(写真◎石倉利英)

■2021年8月22日 インターハイ(全国高校総体)男子決勝(@テクノポート福井総合公園スタジアム)
米子北高 1-2 青森山田高
得点:(米)佐野航大
   (青)丸山大和2

「サッカーの難しさ、怖さ、喜び」

 インターハイ初優勝、初の全国タイトルに手が届きかけていた。米子北高(鳥取)は10分(35分ハーフ)にMF佐野航大のPKで先制すると、その後は青森山田高(青森)の猛攻に粘り強い守備で対抗。後半も無失点でしのぎ、勝利まで、あとわずかだった。

 だが、残り1分となった69分に失点。10分ハーフの延長はお互い譲らず、延長後半アディショナルタイムまで1-1だったが、90+1分にCKから逆転ゴールを決められ、直後に試合終了のホイッスル。衝撃の結末に米子北の選手たちはピッチに崩れ落ち、悔し涙に暮れた。

 2009年以来、12年ぶりとなる決勝の舞台。中村真吾監督は「いつも通り、やってきたサッカーをしたいと思って臨んだ」と振り返る。準決勝までの5試合で28得点を挙げた青森山田の攻撃力に対抗するため、「相手の2トップに対してセンターバックがチャレンジ・アンド・カバーでしっかり守り、サイドはあまり絞り過ぎず、サイドでしっかり守ろうとした」という狙いがはまり、相手のサイド攻撃を封じた。

 PKで先制した後、後半にかけて押し込まれる時間が長くなったが、懸命に耐えていた。しかし残り1分で追い付かれ、最後はPK戦突入寸前に再び失点。優勝候補筆頭の底力に屈し、初の日本一を逃した。

 今大会は初戦から、試合終了間際の得点で一喜一憂してきた。帝京高(東京)との1回戦は、1-2で迎えた後半アディショナルタイムの70+3分に追い付き、PK戦勝利。星稜高(石川)との準決勝は、2-1とリードしていた後半アディショナルタイムの70+3分に追い付かれたが、70+5分のゴールで勝ち越して勝ち上がった。

 だが決勝では、2つの終了間際の失点で苦杯。「この大会を通じて、ギリギリで追い付いたり、ギリギリで追い付かれたり、勝ち越したり。サッカーの難しさ、怖さ、喜び、そういったものを最後の最後でも、あのような形で感じた」と語った中村監督は、それでも「1試合1試合、成長することができて、この負けで、彼らがさらに成長してもらえれば」と選手たちの奮起に期待し、「冬がありますので」と高校選手権を見据えた。

 雪辱への第一歩は、表彰式の直後から。中村監督はピッチ上で歓喜に沸く青森山田の選手たちに近づき、スマホを取り出して動画を撮影した。

「忘れないように。いつか、油断したときに見せてやろうかと思って」

 選手たちにとっても、スタッフにとっても、これ以上ない発奮材料を得て、日本一への新たな挑戦が始まる。

取材・写真◎石倉利英


This article is a sponsored article by
''.