高校年代の選手やチームの物語を紡ぐ、不定期連載の第2回。今回は、昨年10月に『絶対王者』に猛攻を浴びて大敗した鳥取県の高校が、練習を重ねて実現を目指す、ジャイアントキリングへの意気込みに迫った。

「勝つイメージはできています」

 今年度に入り、新1年生を加えて全41人で練習を重ねていたところで、インターハイ予選の組み合わせが決定。米子松蔭と米子北は、順当なら準決勝で対戦することになった。

 井上監督は、これまでと同じ言葉を選手たちに繰り返している。

「学校の先生、クラスメイト、周りはみんな、米子北に勝つのは無理だと思っているかもしれない。でも、ここにいる41人とスタッフは、絶対に勝つ、勝てると、本気で思わなければダメだ。誰か1人でも、1回でも『米子北に勝つなんて無理だよ』と言ったら、勝つことはできない」

画像: 中距離のダッシュを繰り返し、走力とスタミナの向上を図る(写真◎石倉利英)

中距離のダッシュを繰り返し、走力とスタミナの向上を図る(写真◎石倉利英)

 今回の予選は当初、5月29日から31日まで1回戦から3回戦、6月5日が準決勝、6日が決勝という日程だった。しかし新型コロナウイルスの影響で一部日程が延期となり、6月1日からの3日間で3回戦までを消化することに。3回戦から準決勝までが中4日から中1日に縮まり、コンディショニングが、より難しくなっている。

 もちろん、初戦の2回戦と準々決勝に勝たなければ、挑戦権を得ることはできない。井上監督も「米子北は問題なく勝ち上がるでしょうけれど、ウチはどんな相手にも簡単に勝つことはできない。一戦一戦が大事だと伝えています」と気を引き締める。

 それでも米子北と対戦することになれば、蓄えてきた力をぶつける用意はできている。佐藤は「キャプテンとして粘って、耐えて、後ろからチームを盛り上げます」と意気込み、舟越は「チャンスが来たら、しっかり決めたい」と再度の得点を期す。油井は「相手の勢いに飲まれず、声を出して全員で戦います」と決意を語り、野津は「何度でもピンチを止めて無失点に抑えて、自分のキックからゴールにつなげたい」ときっぱり。攻撃の要のMF古山慈恋は「チームのために走り、得点に絡みたい。勝つイメージはできています」と力強く言った。

 シュート数『1-53』の衝撃から7カ月。米子松蔭は「本気で」ジャイアントキリングを実現する準備を進めている。

取材・写真◎石倉利英


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