島根・出雲工高の女子高校生、原希夢さんが、男子高校生の公式戦で副審を務めた。小学2年生から男子と一緒にプレーする一方、昨年に3級審判員の資格を取得。今後も選手と審判員、両方での成長を目指している。

上写真=2月5日の島根県高校新人大会1回戦で第2副審を務めた原さん。普段の経験を生かし、男子高校生のプレーを落ち着いて見極めていた(写真◎石倉利英)

女子高校生の3級審判員は県内初

 2月5日の島根県高校新人大会(新人戦)、三刀屋高と大田高・出雲商高合同チームが対戦した1回戦で、原希夢(はら・のぞむ)さんは第2副審を担当した。試合前の審判団ミーティング、メンバーチェックなどを経て始まった試合では、タッチライン際を左右に走りながら判定。男子高校生の試合を担当するのは初めてだったが、試合後は「『戻りオフサイド』など難しい判定もありましたが、うまく取れたのでよかったです」と安堵の表情を浮かべた。

 初めて審判員を務めたのは2020年の初め。所属する地元の女子クラブチーム、ディオッサ出雲FCのU-15の試合で、第4の審判員や副審を務めて「面白いと思った」と振り返る。出雲工高に進学後、周囲の勧めに加えて「正しい知識を持っていれば、これがファウルなどと分かるので、選手としてプレーするときに役立つと思った」こともあり、3級審判員を目指すことにした。

画像: 試合前のメンバーチェック。メンバー表の背番号と名前を見ながら先発する選手を確認する(写真◎石倉利英)

試合前のメンバーチェック。メンバー表の背番号と名前を見ながら先発する選手を確認する(写真◎石倉利英)

 講義を受けるだけで取得できる4級とは違い、3級は体力測定と実技試験、筆記試験があったが、男子中学生の試合で主審や副審を務める実技試験などをクリア。合格を伝えられたときは「飛び跳ねたいくらい、うれしかった」という(審判員の資格は年度で更新されるため、正式に3級審判員となるのは2021年4月から)。

 女子高校生が3級審判員の資格を取得するのは、原さんと同時に合格した平田高の伊藤華蓮さんとともに、県内では初めてで、中国5県でも他に4人しかいない。女子の審判員育成は各都道府県サッカー連盟の課題の一つで、原さんも「女子の審判員は少ないので、上のレベルの審判員がいたら、他の女性も興味を持ってくれるのではないか」と期待している。


This article is a sponsored article by
''.