J1神戸で高卒ルーキーながら活躍する郷家友太が、母校・青森山田のキーマンとして、二人の後輩の名前を挙げる。「僕としては天笠(泰輝)やケネディ(三國ケネディエブス)といった、黒子に徹する選手も見てほしい」。今回は、福岡への来季加入が内定している三國ケネディエブスを紹介する。

「プロの先輩に負けない」

 三國は、青森山田の寮で郷家と“ルームメイト”だった。「今も同部屋のグループトーク(LINE)でつながっています。自分たちも試合のたびに結構連絡していて、(郷家から)『お前らもプレミアで頑張れよ』とか言われると、すごく刺激になる。自分からは『来年Jリーグに行くから待っていてくれ』と伝えました」と、寝食を共にしてきた先輩との絆を明かす。

 身長195センチ。高校年代屈指の長身を誇る三國の武器は、やはりヘディングだ。9節を終えて4得点をスコア。DFながら、得点ランク4位につけている。昨年3月までFWとして培ったゴールへの嗅覚は、チームの下支えとなるセンターバックとなった今も健在だ。「セルヒオ・ラモス(レアル・マドリード=スペイン)に憧れています。ヘディングでめっちゃゴールを決めるじゃないですか。だから、すごいな、と思っていて。自分もそういう選手になりたい」と、同じポジションの世界的名手に、思いを馳せる。

 憧れの存在はもう一人いる。一昨年度に高校2冠を果たした2学年上の兄・スティビアエブス(現順天大)だ。
「兄貴は憧れの存在ですよ。高校1年生のときは、選手権で兄貴と一緒にプレーしたかった。親も期待していたので、見せてあげたいな、と思っていたけれど、自分がその年の夏にケガをしてしまって(高校選手権には)間に合わなかった。それで、兄貴と一緒に選手権を優勝するという夢を叶えられなかったんです」

 今は夢の続きを見据えている。「プロで同じチームになって、そこで一緒に戦えたらいいですね」と、さらなる努力に励んでいる。黒田監督も三國の夢を叶えるため、要求レベルは常に高い。5節柏U−18戦(△1−1)でヘディングが枠をとらえなかったときも、「それを決めてこそ、プロからも評価をもらえる」と、厳しい言葉を与えた。

「昨年度は、自分はサブ組だったけど、紅白戦で郷家や中村駿太(現山形)と戦っていた。プロへ行く先輩たちに負けないように頑張ってやっていたので、そこで積んだ経験は今年に生きていると思う」と、確かに芽生えた自信を胸に、来季のプロ入りを前に高校最後の年での活躍を誓う。

取材◎小林康幸

三國ケネディエブス[青森山田 3年/DF #5]
みくに・けねでぃえぶす/2000年6月23日生まれ、青森山田中学校出身。もともとはFWだったが、昨年3月にセンターバックに転向。世代屈指の高身長を武器に、空中戦で無類の強さを見せる。来季の福岡加入内定。195cm、80kg


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