上写真=2ゴールに絡む活躍の藤本をチームメイトが祝福(写真◎Getty Images)
■2020年1月1日 第99回天皇杯決勝
神戸 2-0 鹿島
得点:(神)OG、藤本憲明
記念すべき日にタイトルを獲得
神戸にとっては、初の決勝進出であり、クラブ初タイトルのかかる大一番。フィンク監督は遠征に帯同させた6人の外国籍選手のうち、サンペールを外し、4人をピッチに並べ、1人をベンチに置いた。イニエスタ、ポドルスキ、フェルマーレン、ダンクレーが先発。準決勝で負傷したビジャはベンチスタートだった。陣形は3-4-3。この策がうまくハマった。
鹿島のプレスを外し、ボールをつなぐと、18分に先制に成功する。ボックス左に進入した酒井高徳からボールを受けたポドルスキがシュート。GKクォン・スンテが弾いたボールが詰めていた藤本憲明とDFの競り合うところに当たってゴールイン(記録はオウンゴール)。神戸が先制した。
その後も鹿島の散発の攻撃をいなしつつ、神戸がゲームを支配していく。追加点は38分。西大伍のグラウンダーのクロスが流れてきたところを、またしても藤本がプッシュ。前半のうちに2-0とする神戸にとっては願ってもない展開となった。
藤本は今季J1開幕戦の大分時代も含め、対鹿島4点目を記録。まさに鹿島キラーと呼ばれる活躍を披露した。
後半に入ると鹿島も選手交代とシステム変更で(4-4-2から3-4-2ー1へ)、状況の打開を図るが、局面局面の勝負で上回れないために決定機を生み出せない状況が続いた。
結局、前半に挙げたリードを、攻め続けることで守ってみせた神戸が勝利。今季はフェルマーレンや酒井高徳、飯倉大樹らが加入後、攻守に安定感が増し、シーズンスタート時とは見違えるほど、ハイパフォーマンスを見せてきた。豊富な資金力を強化につなげ、一つの成果を出したと言える。
「今日はすごくうれしい。このチーム、このクラブ、サポーターの皆さんの力があって勝てた。神戸全体で、この勝利を喜びましょう!」
試合後のフラッシュインタビューでフィンク監督は力強くコメント。新国立競技場のこけら落としとなる記念すべき天皇杯決勝を制して初優勝を果たし、クラブ初タイトルを手にした。
取材◎サッカーマガジン 写真◎Getty Images