上写真=決勝点の宇賀神とオズワルド・オリヴェイラ監督が試合後のビクトリーランで満面の笑み
写真◎高原由佳
第98回天皇杯決勝が9日に行なわれ、浦和が1-0で仙台に勝利。『地元』の埼玉スタジアムで、J1リーグとの2冠&大会連覇を達成した06年度の第86回大会以来、12大会ぶり7回目の栄冠をつかんだ。
■2018年12月9日 第96回天皇杯決勝
浦和 1-0 仙台
得点者:(浦)宇賀神友弥
ラストチャンスでACL出場権を獲得
AFCチャンピオンズリーグ(ACL)で優勝し、クラブワールドカップに出場する鹿島が準決勝まで勝ち上がったことを受けて、当初の予定を前倒しして行なわれた決勝。序盤は仙台が意欲的に攻め込んでいたが、先制したのは浦和だった。13分、右からのセンタリングがクリアされたセカンドボールを、落下地点に入ったMF宇賀神友弥がエリア外中央から右足ボレー。これが弾丸のようなスピードでネットを揺らす驚愕のスーパーゴールとなり、序盤で均衡を破った。
その後は仙台も、準決勝まで天皇杯3試合連続得点中のFWジャーメイン良、FW石原直樹を軸に反撃に転じるが、3バックの中央にDF阿部勇樹を置いた浦和の堅陣を崩すには至らない。浦和にも何度か追加点のチャンスがあったが決めることはできず、そのまま浦和の1点リードで前半を終えた。
後半、引き気味に構えて慎重に試合を進める浦和に対し、仙台はFW野津田岳人の直接FKなどで懸命に同点を狙う。67分、MF古林将太に代えてMF関口訓充、FWジャーメイン良に代えてFW阿部拓馬を同時に投入すると、70分に右からのセンタリングを阿部がダイレクトで合わせたが、浦和GK西川周作の正面を突く。72分にはエリア内への縦パスを野津田がダイビングヘッドで合わせたが、これも枠を捉えなかった。
終盤、敵陣でのボールキープで時計の針を進める浦和に対し、仙台はロングパスをゴール前に送るパワープレーで打開を図るものの、浦和も粘り強く対応して決定機を作らせない。後半のアディショナルタイム5分も耐え抜いた浦和は、そのまま1-0で逃げ切り、試合終了の瞬間にはベンチの選手たちもピッチになだれ込んで喜びを爆発させた。
今季J1リーグでは5位に終わり、この天皇杯が来季のACL出場権獲得へのラストチャンスだった浦和は、見事に生かして優勝。決勝ゴールの宇賀神は、今季限りで現役を引退するMF平川忠亮のラストマッチで「ヒラさんにカップを掲げさせてあげたかった」との思いを実らせる活躍だった。