上写真=先行されたものの、終盤の猛攻で一時は追いついた甲府。声援をバックに攻めの姿勢を示した(写真◎Getty Images)
終盤は攻めに攻めたが…
敵地で臨んだ第1戦で0−3と完敗した甲府は、攻めるしかなかった。蔚山にボールを握られることは想定していた通りだったが、ショートカウンターでゴールを奪うプランを遂行していった。
だが11分、敵陣でのスローインの場面でボールをロストすると、逆襲を許し、失点してしまう。2試合合計スコアで0−4とリードを広げられる苦しい展開に陥った。
その後も甲府はボールを奪ってカウンターを狙う戦い方を実行していった。相手ゴールに迫る機会を何度も作り出したが、なかなかゴールを割ることができず、時計が進む展開となった。
シュート数では相手を圧倒し、実際チャンスの数も多かった。しかし余裕を持って試合を進める蔚山のゴールは遠いまま。ベスト8に進むためにゴールを重ねるしかない甲府だったが、相手GKの好守もあったにせよ、フィニッシュの局面で精度を欠いたのも確かだった。
何とか一矢報いようと甲府は最後までゴールを目指した。88分にはウタカがゴール前で絶好のチャンスを得たが、相手の体を張った守備の前に決めきれず。しかしその直後についにネットを揺らす。左CKで小林岩魚のボールを三平和司がヘディングシュート。1点を返した。
4分と表示されたアディショナルタイムも攻め続けた甲府だったが、2点目を奪うことはできず。逆に攻めにかかった分、逆襲に対応することができず、90+4分にチョ・ミンギュに決められてしまう。1−2で敗れ、2試合合計スコアを1ー5とされて、ACL敗退が決まった。
大会初出場、しかもJ2に所属しながら決勝トーナメントに進むなど、いくつも新たな歴史を刻んだヴァンフォーレ甲府。アジアで大きな注目を集めたクラブの冒険は、ラウンド16で幕を閉じることになった。