12月12日に行われたAFCチャンピオンズリーグ(ACL)のグループステージ第6戦で、I組の川崎フロンターレは蔚山現代(韓国)と対戦した。9日の天皇杯決勝から中2日で迎えたアウェーゲームという厳しい日程ながら、フレッシュなメンバーを投入して2-2で引き分け。全勝こそ逃したが、首位の風格を見せた。

上写真=17分に遠野大弥が角度のないところからボレーシュートをねじ込んで、川崎Fが先制!(写真◎Getty Images)

■2023年12月12日 ACLグループステージ第6節・I組(@蔚山文殊・韓国)
蔚山現代(韓国)2-2 川崎F
得点:(蔚)マルティン・アーダーム2
   (川)遠野大弥、瀬古樹

若手がアウェーで躍動!

 天皇杯決勝で壮絶なPK戦の末に優勝を決めてから中2日。川崎フロンターレはアウェーに乗り込んで、蔚山現代と対戦した。川崎FはこのACLグループステージですでに5連勝していて、グループ1位での突破を確定済み。一方の蔚山はKリーグ連覇を果たしていて波に乗る。ACLでは2位につけていて、グループステージを突破するために勝利を求める試合になった。

 川崎Fにとっては、契約満了が発表されたジョアン・シミッチがラストゲーム。ほかに田邉秀斗、松長根悠仁、高井幸大、名願斗哉と今季は出番の少なかった若手を多く先発に送り込むなど、フレッシュさを散りばめて臨んだ。

 序盤からテンポよく試合を進めたのは川崎F。蔚山のミスを見逃さずにショートカウンターを効果的に繰り出し、それが実らせたのが17分。中から右に出た瀬川祐輔が腰をひねって低いシュート性のパスを左へ、山田新がダイレクトで叩いたシュートはGKに防がれたが、こぼれ球を遠野大弥が角度のないところから右足のボレーシュートでねじ込んで、先制に成功した。

 この後も、蔚山が前に出てくるパワーをうまく吸収しながら攻めに転じると、31分には追加点。瀬川、名願の連続シュートはブロックされたが、名願が粘ってつなぐと、瀬古樹が左足で鋭く突き刺して、さらに優位に立った。

 このまま引き下がるわけにはいかないのが蔚山。遅ればせながら逆襲すると、前半終了間際の44分にゴールを挙げたのが大きかった。右サイド深くのFKを素早くリスタート、オム・ウォンサンのスピード満点のセンタリングが川崎Fの選手に当たってコースが変わり、マルティン・アーダームがヘッドで押し込んだ。1点差に詰め寄って、後半への勢いを得た。

 後半開始早々に、またもスコアが動く。CKの流れから、松長根悠仁がキム・ヨングォンの足を蹴ってしまい、PKを与えることに。これをアーダームに冷静に左に決められて、53分に同点に追いつかれた。

 69分にMF江坂任とFWチョ・ミンギュを入れて攻撃にパワーを加えた蔚山が激しくゴールに迫るが、川崎Fも78分に山根視来、大関友翔、山村和也を送り込んで3バックにして、さらに最前線に家長昭博を据えて対抗。時間とともにラフプレーが目立ち始めた蔚山をうまくいなしながら、最後までさらなるゴールを許さなかった。

 そして、アディショナルタイム5分を過ぎたところで、終了のホイッスル。激戦は2-2のドローで終わった。蔚山は勝ち点10止まりだが、2位チームのうち成績の良い3チームが勝ち抜けるレギュレーションで、他グループの状況からその条件をクリアして、突破を決めた。

 すでに首位突破は決まっていた川崎Fは、6連勝こそならなかったが、5勝1分けの負けなしでグループステージを終了。鬼木達監督は若手も躍動して貴重な経験を積んだ今季のラストマッチを高く評価。

「2−0になったので勝ちきりたい思いはもちろんありましたが、この日程で選手はよくやってくれた。最後は崩れてもおかしくなかったところで、アウェーで勝ち点を取ったので褒めてあげたいと思います」

 続けて「ハードワークし続ける、なおかつサッカーとして面白く、見ていて楽しんでもらえるチームにしたい」と悲願の優勝へ向けて誓い、まずは来年2月のラウンド16に臨む。


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