上写真=ヤン・マテウスの決勝ゴールに喜びの輪(写真◎AFC)
■2023年11月7日 ACLグループステージ第4節(@リサール・メモリアル/マニラ)
カヤFC(フィリピン)1-2 横浜F・マリノス
得点:(カ)堀越大蔵
(横)村上悠緋、ヤン・マテウス
「トラップが浮いてしまった」
横浜F・マリノスはJ1リーグでも首位のヴィッセル神戸に勝ち点2差に迫っていて、週末にはセレッソ大阪との第32節が迫る中で、過密日程のアウェーゲーム。珍しく3-4-2-1システムを採用し、榊原彗悟、村上悠緋と若手を先発に起用、MFの吉尾海夏を3バックの左に置くなどのコンバートもあり、控えのメンバーも相手より5人も少ない7人で臨むなど、「イレギュラー」な陣容だった。
人工芝のピッチに悩まされながらも、地力の差を見せて序盤から攻め込んだ。先制ゴールは26分。右に開いた井上健太から、右のニアゾーンにもぐり込んだ村上がボールを引き出すと、そのまま右足を思い切り振ってゴールに突き刺した。これが横浜FMに入って初めてのゴールになった。
ところが、リードは長くは保てなかった。39分にリカルド・センドラのスルーパスできれいにハイラインの裏を突かれ、走り抜けた日本人ストライカーの堀越大蔵に右足の強シュートを浴びて失点してしまう。
後半に入ってもなかなかリズムは生まれず、榊原のミドルレンジのパスや村上の裏抜けなどでゴールを目指すが、チャンスにならない。しかし、幸運が巡ってきた。82分、途中出場していたカヤFCのロベール・ロペズ・メンディがレッドカードを受けて退場、数的優位を得たのだ。
すると87分に、目の覚めるような決勝ゴールが生まれた。左でナム・テヒの縦パスを受けたヤン・マテウスがうまく反転して相手を外し、落ち際を自慢の左足でたたくボレーシュートをゴール右に突き刺して、ようやく追加点を決めた。本人は「トラップが浮いてしまった」とファーストタッチを振り返ったが、「うまくライン間でポジションを取って、ナム・テヒがそれを見てくれていいボールをくれた」と仲間との連係に胸を張った。
苦しみながらも逃げ切った横浜FMは、これで3連勝。勝ち点9で並んでいる山東泰山(中国)とは直接対決の結果が優先されるため、首位に立って、グループステージの残り2試合を戦う。