FC東京は1月28日、ホームでAFCチャンピオンズリーグ(ACL)のプレーオフに臨み、フィリンピンのセレス・ネグロスを2-0で撃破。本選出場を決めた。雨でピッチ状態が悪く、難しい試合になったが、ネクストステージの扉を開いた。

上写真=先制ゴールを決めた室屋(写真◎J.LEAGUE)

■2020年1月28日 AFCチャンピオンズリーグ2020 プレーオフ
FC東京 2-0 セレス・ネグロス
得点:(F)室屋成、アダイウトン

FC東京メンバー:GK林彰洋、DF室屋成、森重真人、ジョアン・オマリ。小川諒也、MF高萩洋次郎、東慶悟(77分、アルトゥール・シルバ)、安部柊斗、レアンドロ(90+1分、中村帆高)、アダイウトン(90+3分、矢島輝一)、FW原大智(→79分退場)

枠を外さないように(室屋)

 前半、ピッチコンディションに苦しんだ。試合前のアップも取り止めとなる劣悪な状態。雨を吸ったピッチはところどころに水たまりができてボールは転がらず、ドリブルでもグラウンダーのパスでも攻撃の形をなかなか作れない。必然的にロングボールと浮き球を多用するの戦いになった。
 
 何度も相手守備陣の裏に出されるボールを追ったアダイウトンやレアンドロ、今季もキャプテンを務める東が、それぞれ好機をつかんだが決め切れず。前半はスコアレスで終わった。

 そして迎えた後半。早々に試合が動く。ネットを揺らしたのは劣悪なピッチコンディションの中でも前半から攻撃参加を繰り返していた室屋だった。

「ゴチャゴチャしている中でこぼれてきたらラッキーだなと思いながら、待っていたので。シュートは枠だけ外さないように」

 安部からボックス手前で相手DFを背負うアダイウトンへ。混戦の中から出されたボールを右サイドバックの室屋がうまくとらえて、先制点が生まれた。

 浮き球とボールが止まることを想定した縦方向へのフィードを徹底し、とくに後半はFC東京が試合のペースを握った。失敗しても愚直に繰り返すことで突破口を開いてみせた。

 試合終了10分前に、原大智が競り合いで手を使って退場処分を受けて一人少ない状態になったが、終了間際には自陣から一気にカウンターを仕掛けて追加点を挙げる。、アダイウトンが球足の長いドリブルで抜け出して相手GKの頭上を抜き、2-0とした。

 64分にオフサイドの判定で取り消されるゴールもあったものの、試合を通じて積極性を示していた新戦力が、その姿勢と結果で自身の価値を示した。

 この勝利で、FC東京の本選出場が決定。グループステージは蔚山現代(韓国)、上海申花(中国)、パース・グローリー(オールトラリア)が同居するグループFに属す。

「手応えはまだまだ。本選に向けてはもう一段上げていかないと。本選はもっと相手のレベルが高いので。3週間でしっかり勝つチームを作らなければということでやってきましたけど、ディエゴ(・オリヴェイラ)とか(橋本)拳人とか、(渡辺)剛だったり、(田川)亨介もU-23から帰ってきたばかりで、(ナ・)サンホなんかも兵役で戻ってきて、まだまだフィットさせていかなければならない選手が多々いる。ここからしっかり上積みをしていなければいけないと思っています。
(鹿島が敗れたが?)本当に鹿島は天皇杯もあって難しかったと思います。シーズンが始まってすぐのプレーオフやACLは難しい試合になるのは間違いない。そういう意味では選手がそこを理解して、きょうはプレーしてくれたと思っています」

 長谷川健太監督はそう言って、気を引き締めた。初戦は2月11日。アウェーの蔚山現代戦から、アジアの頂点を目指す戦いはスタートする。


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