上写真=後攻で3人目が先に止められたPK戦、続く相手の4人目のキックを止めた菅原がチームメイトに向けてガッツポーズ!(写真◎石倉利英)
PKストップは「自信がある」
近年は大学の準体育会・同好会・サークルの日本一を決める大会と位置付けられ、代々の選手・女子マネジャーに『マガ杯』『マガジン杯』の愛称で親しまれているサッカーマガジンカップ。立教大学サッカー愛好会Aと対戦した稲穂キッカーズAは、押し気味に進めながらも最後まで得点が奪えず、0-0で前後半60分を終え、勝負の行方はPK戦にもつれ込んだ。
お互い全員が決めて迎えた3人目、後攻の稲穂キッカーズAは、キャプテンのDF近野凌太のキックが相手GKに止められてしまう。その際に相手GKが負傷して生まれた長いインターバルの間、PK戦に備えて後半終了間際から途中出場した3年生GKの菅原は「絶対に1本止めなければいけないと思っていました。キャプテンが止められて、負けさせるわけにはいかない」と考えていたと明かす。
思っていたとおり、続く相手の4人目のキックを足でセーブしてイーブンの状態に戻すと、9人目では左に跳んでセーブ。後攻9人目で味方のキックが成功して勝ち抜きを決めると、駆け寄ってきたチームメイトや応援団から手荒い祝福を受けた。
以前は正GKだったが左足首を骨折して離脱し、リハビリの間に1年生GKが先発となった。何とか回復して今大会は控えでサポートすると同時に、PK戦要員として準備。別の大会でもPKストップを見せており「自信がある」というプレーで、チームをベスト8に導いた。
3年ぶり5回目の日本一まで、あと2つ。背番号1のヒーローは「いまはサポート役なのでサポートに徹して、またPK戦になったら絶対に勝ちたい」と謙虚に表情を引き締めていた。
取材・写真◎石倉利英

