上写真=デンベレ(右)がアシストのハキミと抱き合う。9人のパリSGが追加点を決めた(写真◎Getty Images)
■2025年7月5日 クラブW杯準々決勝(@メルセデス・ベンツ・スタジアム)
パリ・サンジェルマン 2-0 バイエルン・ミュンヘン
得点:(パ)ドゥエ、デンベレ
バイエルンはオフサイドに泣く
さすがは超一流クラブ同士の戦いで、一進一退の攻防は迫力満点だった。
序盤に優勢だったのはパリ・サンジェルマン。ただ、19分にカウンターから右からのハキミのセンタリングが逆サイドから飛び込んだクバラツヘリアにわずかに合わず、22分にもファアビアン・ルイスが左からの折り返しをダイレクトで狙ったがシュートミス。
バイエルン・ミュンヘンも黙ってはおらず、27分に左右に揺さぶって最後はオリーセが右からカットインして強烈に狙うが、GKドンナルンマに防がれた。32分には今度はパリSGがカウンター気味に左に回し、クバラツヘリアが突破して切り込んだが、GKノイアーがストップ。鮮やかな攻撃とGKの見事なシュートストップを繰り広げる白熱のゲームになった。
徐々に押し込み始めたバイエルンは、39分には左からコマンが何度も切り返して突破からクロス、中央でケインがヘッドで狙ったが、わずかに上。45+2分には左からのオリーセのFKをウパメカノがヘッドでたたき込んだが、オフサイド。
息をつく暇のない前半と同様、後半も激闘は続いた。49分にはいきなりパリSGのバルコラが抜け出して狙ったが、またもやノイアーが右手で弾き飛ばす。53分にはバイエルンがカウンター、ケインが左に振ってコマンが突き進んで狙ったが、ドンナルンマの正面を突いた。
61分にバイエルンはオリーセが右からのカットインで狙えば、パリSGも返す刀で62分にロングパス一本からドゥエが右を抜け出して中央に送る。さらにバイエルンが65分にもオリーセがボックス内に潜り込んで狙うが枠を外すなど、どちらもまったく譲らない。
73分にはパリSGにビッグチャンス。クバラツヘリアがノイアーにプレスをかけて引っ掛け、こぼしたところをデンベレが狙うが、わずかにゴール左にそれていった。
そしてついに、均衡が破れたのは78分。一歩前に出たのはパリSGだ。カウンターのカウンターのカウンターで右サイドから崩し、ジョアン・ネヴェスの折り返しからドゥエが左足でゴール右に蹴り込むと、名手ノイアーも動けなかった。
だが、82分にはパチョが一発退場でパリSGが1人少なくなるピンチ。87分にケインにヘッドでゴールを割られながらオフサイドで事なきを得たが、90+2分にはリュカ・エルナンデスが肘打ちしたとしてまたも一発退場。9人で残り時間を乗り切ることになった。
だが、守るだけではなかった。90+6分、ハキミが3人に囲まれながらも右サイドをすり抜けてマイナスへ、デンベレがていねいに左サイドネットに流し込んで、さらに勝利に近づいた。
90+8分にはバイエルンに一度はPKが与えられたが、オンフィールドレビューの結果、ノーペナルティー。このあと終了のホイッスルが鳴り、激闘の末に欧州王者がベスト4へと駒を進めた。