2024-25シーズンのSOMPO WEリーグは中断期間が終わって第12節から再開し、3月3日には三菱重工浦和レッズレディースとジェフ千葉レディースが対戦。雪の影響が心配されながらも無事に開催された一戦は浦和が2-0で勝利し、リーグ3連覇とアジアタイトルとの2冠に向けて2位をキープしている。

上写真=何とか開催にこぎつけた月曜日のナイトゲーム。雪が残るピッチでホームの浦和が勝利を収めた(写真◎森田将義)

■2025年3月3日 WEリーグ第12節(@浦和駒場:観衆1,155人)
浦和 2-0 千葉L
 得点:(浦)伊藤美紀、後藤若葉

「支配したわけではなく、ミスが多かった」

 未明から降り始めた雨は、昼になると雪へと変わった。アウェーの千葉のスタッフも加わって雪かきを行なったおかげで開催にはこぎつけたが、試合序盤はまだピッチのところどころに雪が残る状態。それでも千葉Lは、イスマエル・オルトゥーニョ監督が試合後に「賢く、いろいろな状況に適応できる選手たちなので、ボールを動かす・動かさないを適切に判断してサッカーをしてくれた」と振り返ったように、意に介さないプレーを披露した。

 最初の見せ場は14分。左CKのこぼれ球を高い位置でつなぎ、FW大澤春花のパスからMF北村美羽がミドルシュートを放ったが、浦和MF高塚映奈がスライディングでブロックしてCKに逃れる。直後の15分にもMF小川由姫のスルーパスから大澤がゴール前への侵入を試みたが、素早くカバーに入った浦和DF遠藤優がシュートを許さない。

 浦和は3バックで前に人数をかけた千葉の守備に苦しみ、ミスを誘発された影響で思いどおりの攻撃ができなかった。遠藤は「後期の再開で、みんながゲーム感をつかむまでに時間がかかった」と語ったが、守備は4バックとボランチがスライドを徹底することでスキを与えず、「ディフェンスラインでは、とにかく無失点で終わらせようと声を掛け合っていました。失点しなければ負けはしない」(遠藤)との思いで試合を進める。
 
 すると35分、浦和は右CKの流れからMF柴田華絵がシュート。こぼれ球に反応したMF伊藤美紀が右足でゴール左スミに豪快なミドルシュートをたたき込み、1点をリードして前半を終えた。
 
 後半の序盤はサイド攻撃と相手DFの背後を狙った千葉Lのペース。浦和は「自分たちが奪ったボールをうまく前に運べなかった。距離が悪い中で奪われるから、守備も(奪いに)行けない悪循環になっていた」(柴田)ため、苦しい状況を強いられた。

 しかし、いったん前からのプレスをやめて、自陣での守備に切り替えて状況を立て直すと、84分にはセットプレーの流れからMF猶本光が上げたクロスを、途中出場のDF後藤若葉が頭で合わせて2点目をマークした。
 
 88分にはプロ2年目のMF竹内愛未と、ユースからトップチーム昇格を果たした高校2年生のMF平川陽菜を同時投入。「勝ち癖がついていく中で、若い選手がどういう空気感でやっているのか、パス一本の重みを感じて成長していってくれたら」と狙いを明かしたのは楠瀬直木監督で、数分間のみのプレーだったが、若い選手がホーム駒場の空気感を知ることができたのは収穫だ。
 
 楠瀬監督は、失点をゼロに抑えた守備陣の出来を高く評価。うまくいかない中でもセットプレーから得点を奪い、白星を呼び込む勝負強さも感じさせたものの、決して満足のいく試合内容とは言えなかった。指揮官は「おかげさまで無事、勝つことができたのですが、正直言ってすごく苦しいゲームでした。先制できたのはよかったものの、ゲームを支配したわけではなく、ミスが多かった」と指摘。課題を修正し、リーグ3連覇とAFC女子チャンピオンズリーグとの2冠に向けて突き進む。

取材・写真◎森田将義


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