上写真=第3節、優勝候補であるNSSOLとJBSの直接対決が行なわれ、意地と意地のぶつかり合いが繰り広げられた(写真◎斉藤豊)
上位2チームによる白熱の直接対決
サッカーを通じてIT業界相互の親睦と活性化を図るITサッカーリーグは2002年に創設され、今年で21回目を迎えた。今大会にはIKI(アイエックス・ナレッジ株式会社)、NSSOL(日鉄ソリューションズ株式会社)、JBS(日本ビジネスシステムズ株式会社)の3チームが参加し、2回戦総当たりのリーグ戦で順位を争っている。
今大会は7月6日に開幕を迎え、同20日に行われた第2節が前回王者NSSOLの初陣となった。初参加となった第19回大会から無敗を継続するNSSOLは、開始早々に選手兼監督の佐々木紘史が先制点を奪い、後半にも2点を追加して完勝。3連覇に向けて幸先の良いスタートを切った。一方、IKIはこれで2連敗となり、早くも優勝へ黄信号が灯った。
第2節
NSSOL 3-0IKI
【得点】2分:佐々木紘史(NSSOL)、45分:佐藤洋郷(NSSOL)、50分:森太一(NSSOL)
約2カ月のインターバルを挟み、9月22日に開催された第3節ではNSSOLとJBSが対戦した。両チームは過去2年間、熾烈な優勝争いを繰り広げたライバル関係にあり、試合前のミーティングで入念に作戦を練る様子からも、今大会の優勝を占う上で重要な一戦であることがひしひしと伝わってきた。
JBSのキックオフで試合が始まると、1トップを務める清都圭太が開始10秒でさっそくシュートを放ち、チームを勢いづかせる。「ラインを高く設定して、守備も“攻める”ことを意識させた」というJBS鈴木良選手兼監督の言葉どおり、前線からのプレスで素早くボールを回収すると、そこから両ウイングの風祭佑太、粕谷直輝が果敢にドリブル突破を仕掛けてチャンスを作り、序盤はJBSのペースで試合が進んだ。
一方、押し込まれる時間が続いたNSSOLだが、佐々木選手兼監督が「JBSさんが強いことはわかっていたので、基本的にはリスクを冒さず、球際では絶対に負けないように伝えていた」と語ったように、相手に攻められる展開は織り込み済みで、チームに焦りはなかった。ピンチを迎えても体を張った守備で得点を許さず、こちらも作戦どおり、スコアレスで前半を終えた。
すると後半、開始直後に試合は動く。貴重な先制点を奪ったのは、我慢の前半を過ごしたNSSOLだった。35分、右サイドバックの椿野駿平がこぼれ球を拾ってクロスを送り、ゴール前に走り込んだ鈴木浩大がボレーで合わせた。「気持ちも含めて、ハーフタイムにリカバリーして後半に入ることができた」と佐々木選手兼監督。ギアを入れ直して最初のチャンスを逃さない。勝負強さを感じさせるゴールだった。
1点を追う立場となったJBSは、選手交代を行なって攻撃の人数を増やし、強引に相手ゴールに迫ったものの、両センターバックを中心とするNSSOLの堅い守備を破ることはできず、0-1のまま試合終了。この結果、NSSOLが勝ち点を6に伸ばし、単独首位に浮上した。
試合後、JBSの鈴木選手兼監督は「前半は理想どおりだったので、今日は勝てると思っていた」と悔しさをにじませ、NSSOLの佐々木選手兼監督は「今回の勝利でアドバンテージを得ることができた。3連覇に向けて順調に来ているので、このまま道を外さないようにしたい」と気を引き締めた。
第3節
JBS 0-1 NSSOL
【得点】35分:鈴木浩大(NSSOL)
10月5日に行われた第4節は、JBSとIKIが対戦した。開始1分にJBSの西牧蓮が先制点を挙げると、両ウイングの風祭、粕谷もネットを揺らし、JBSが前半だけで3点のリードを奪う。後半に入ってもJBSの勢いは止まらず、西原がこの日4得点の大暴れを見せるなど攻撃陣が爆発し、今大会最多の10ゴールで相手を粉砕した。
第4節を終えた時点で、2勝0敗のNSSOL、2勝1敗のJBSが勝ち点6で並び、3連敗で残り1試合のIKIは優勝の可能性が消滅。今大会の優勝争いはNSSOLとJBSに絞られた。消化試合が1試合少ないNSSOLが優位なのは間違いないが、第4節の大勝によって得失点差ではJBSが上回っており、最終節での直接対決が優勝を決める一戦となりそうだ。
第4節
JBS 10-0 IKI
【得点】1分:西牧蓮(JBS)、20分:風祭佑太(JBS)、26分:粕谷直輝(JBS)、33分:西牧蓮(JBS)、41分:大和将也(JBS)、49分:風祭佑太(JBS)、50分:繁野竜介(JBS)、54分:粕谷直輝(JBS)、58分:西牧蓮(JBS)、60分:西牧蓮(JBS)