上写真=マロリー・スワンソンが値千金の決勝ゴール!(写真◎Getty Images)
■2024年8月10日 パリ五輪・決勝(@パルク・デ・プランス)
ブラジル女子 0-1 アメリカ女子
得点:(ア)マロリー・スワンソン
ブラジルはマルタ投入も実らず
世界女王を決める頂上決戦にふさわしく、攻め合いのバトルには見ごたえがあった。前半からブラジルが遠慮なくボールにアタックしていって、アメリカのビルドアップを封じてショートカウンターでチャンスを作る。16分にはルドミラが左から抜けてゴールを破ったが、オフサイドで認められず。
ブラジルのハイプレスに粘り強く対応し、カウンターでチャンスをつかむ賢さを見せるのは、アメリカの強さだ。26分にロングカウンターを発動し、左からマロリー・スワンソンが快足を飛ばしてぶち抜いて角度のないところからフィニッシュ、これはコースを消される形になってGKロレナにブロックされた。
ただ、チャンスの数が多いのはブラジルの方。何度も右サイドからのクロスで脅かし、45+2分にも右からのアドリアーナの折り返しにガビ・ポルティーリョがダイレクトで狙ったが、GKアリッサ・ネイハーのスーパーセーブに防がれた。
こうしてスコアレスのまま折り返した後半も白熱。ともにゴールに迫る勢いは衰えなかった。そして、先にゴールをこじ開けたのはアメリカだった。
57分、ブラジルのミスを拾ってから左に展開、抜け出したスワンソンがそのままゴールに迫って、GKロレナとの1対1を制してゴール右にていねいに流し込んだ。
ここでブラジルは、出場停止明けの絶対的存在、マルタをはじめ3人を交代させると、ブラジルが猛攻、アメリカがカウンターという色がはっきりしてきた。ただ、焦りからかブラジルの攻撃が雑になり、アメリカの守備の鋭さを取り戻して、緊迫の度合いが増していった。
89分、ゴール右からのFKでマルタが狙うが、バーの上へ。90+4分には至近距離からアドリアーナがヘディングシュートを放つが、GKネイハーにまたも俊敏な反応でかき出された。ブラジルはどうしてもゴールを奪えない。
目安の10分を超える長いアディショナルタイムの末に、アメリカがこのまま逃げ切って、3大会ぶり5度目の優勝を遂げた。ブラジルはまたも初戴冠のチャンスを逃すことになった。