上写真=史上最多となる4回目の欧州制覇を成し遂げたスペイン代表(写真◎Getty Images)
■2024年7月14日 EURO2024・決勝(@ベルリン)
スペイン 2−1 イングランド
得点:(ス)ニコ・ウィリアムズ、ミケル・オヤルサバル
(イ)コール・パーマー
イングランドはまたも決勝で涙
互いに譲らぬ前半を終えて迎えた後半、いきなりスコアが動いた。ネットを揺らしたのはスペインだ。
47分、ボランチのファビアン・ルイスが自陣から右前方に上がっていたカルバハルに縦パスを送ると、スペインの右サイドバックは右足アウトサイドのワンタッチでボールを前方のヤマルへとつないだ。
このワンタッチプレーがまず、イングランド守備陣の狙いを外すことになる。カルバハルからのパスを受けたヤマルはランニングしながらボールを収め、カットインしてボックス左へ展開。そこに走り込んだニコ・ウィリアムズが左足を振り抜き、ついに均衡を破った。
ヤマルからニコ・ウィリアムズへパスを送った瞬間、ダニ・オルモが中央にしっかり走り込み、モラタもファーサイドで駆け引きしてイングランド守備陣を引き付けていた。スペインアタック陣の連動が生んだゴールとも言える。
1点を追うことになったイングランドは61分にキャプテンのハリー・ケインに代えて準決勝で勝利の立役者となったワトキンスを投入。攻撃の活性化を狙った。しかし、スペインは前に出てくる相手の間、間でボールをつなぎ、時計の針を進めていった。
66分には左から右へと素早くボールを展開し、最後はヤマルが左足シュート。スペインにとっては追加点のチャンス、イングランドにとって大きなピンチだったが、守護神ピックフォードが抜群の反応でストップし、スコアが動かなかった。
すると、その直後にイングランドが『ピンチのあとにチャンスあり』を体現する。70分にメイヌーに代わって途中出場していたパーマーが試合を振り出しに戻したのだ。73分、カウンターでスペインゴールに迫ると、ボックス右からサカが中央へパス。ベリンガムが後方にボールを落とし、走り込んだパーマーがボックス外から右足を一閃。鋭いシュートがゴール左下に突き刺さった。
試合は85分を過ぎ、延長戦も頭に浮かび始める中、スペインが勝ち越しゴールを奪う。敵陣中央でパスを受けたオヤルサバルがオーバーラップした左サイドバックのククレジャへ展開。ククレジャがダイレクトで中央へクロスを送ると、オヤルサバルが飛び込んでシュート。終盤にきて好守を連発していたイングランドの守護神もこのシュートは止めることはできなかった。
試合はそのまま2−1で終了。ニコ・ウィリアムズやヤマルら若き才能が爆発したスペインが7戦7勝で頂点に立ち、12年ぶり史上最多4度目の優勝を飾った。対するイングランドは前回に続き、またも決勝で敗れて準優勝。粘り強い戦いでファイナルにたどり着いたが、あと一歩、及ばなかった。