上写真=セルビアが土壇場で追いついて勝ち点1をもぎ取った(写真◎Getty Images)
■2024年6月20日 グループステージ2節・C組(@ミュンヘン)
スロベニア 1-1 セルビア
得点:(ス)ジャン・カルニチニク
(セ)ルカ・ヨビッチ
スロベニアはGKオブラクの好守が光ったが…
キックオフから明らかにスロベニアの攻勢が続いた。テンポよくボールを走らせるコンビネーションで、ほとんどの時間帯を押し込む前半だった。ただ、フィニッシュに至るまでの精度に粗さが目立って、ゴールはなし。日本の名古屋グランパスでも活躍した「ピクシー」ことドラガン・ストイコビッチが監督として率いるセルビアは、防戦一方だった。
スロベニアの前半最大のチャンスは38分。ドリブルで抜け出したMFティミ・エルシュニクのシュートが右ポストをたたき、こぼれ球をFWベンヤミン・シェシュコが正面から狙ったが、ゴールの上へと飛んでいった。
セルビアもその4分後に沸かせた。右からMFアンドリヤ・ジブコビッチがカットインしてクロス、FWアレクサンダル・ミトロビッチが体の強さを生かしてボールをなんとか収めてからシュートを放った。しかし、にじり寄ったGKヤン・オブラクが止めてみせた。
0-0のまま折り返した後半は主役交代とばかりに、セルビアがゴールに迫っていく。だが、50分のミトロビッチのヘディングシュートはわずか上。
58分にはスロベニアが攻めて、左から放ったシェシュコのシュートはきれいにゴールに飛んでいったが、GKオブラクがファインセーブ。そして徐々にスロベニアが立て直して、またポゼッションを高めながら自分たちのペースに持ち込んでいった。
そしてついに均衡を破ったのは、69分のことだった。セルビアのミスからマイボールにしてカウンターを発動。左に展開し、エルシュニクが低いセンタリングを送ると、ゴール前をすり抜けて逆サイドへ。ここに走り込んできた右サイドバックのジャン・カルニチニクが右足でコースを変えてゴールへと送り込んだ。
ここからは、1点ビハインドとなったセルビアが逆襲を狙う展開。それでも、目前に迫りながらどうしても最後の迫力を出しきれずに、GKオブラクの好守もあってゴールを割ることができない。
だが、ドラマは待っていた。
ラストプレーとなる90+5分の右CK。GKプレドラグ・ライコビッチまでもが相手ゴール前に上がると、MFイバン・イリッチが蹴ったボールがその頭上を超えたところでFWルカ・ヨビッチがヘッドで合わせてゴール左へ送り込んだ。ついに追いついて、再開のキックオフの直後に試合終了。セルビアがドラマティックに引き分けに持ち込み、今大会初勝ち点を手にした。勝利目前で勝ち点2を失ったスロベニアは、2試合連続のドローとなった。
グループ最終戦はスロベニアがイングランドと、セルビアがデンマークと対戦する。