上写真=バイエルンを破った欧州王者マンチェスター・シティ。試合後に記念撮影を行った(写真◎Getty Images)
■2023年7月26日 クラブ親善試合(@国立競技場/観衆65,049人)
バイエルン 1−2 マンチェスター・C
得点:(バ)マティス・テル
(マ)ジェームズ・マカティー、アイメリック・ラポルテ
シティは前後半で1ゴールずつをスコア
平日の夜にも関わらず、世界に名だたるビッグクラブの対戦を見るために国立競技場には6万5049人のファン・サポーターが集まった。そして両チームの選手たちは、高水準のプレーでスタンドを埋めた大観衆を何度も沸かせた。
まだプレシーズンであり、チームコンセプトの確認と調整の色合いが濃い試合には違いなかったが、選手のプレースピードや判断の速さは、この2チームが世界屈指の存在であることを十分に証明するものだった。特に前半は切り替えも速く、見応え十分の攻防が繰り広げられた。
先制したのは現・ヨーロッパ・チャンピオンの方だ。キャプテンマークを巻いてプレーするウォーカーからの縦パスにルイスが反応。ワンタッチではたいたボールは相手のブロックに遭ったが、こぼれ球を拾ってボックス右から中央へパスを送ると、アルバレスがシュート。これはGKゾマーに止められたが、こぼれ球をマカティーが蹴り込み、シティが最初にネットを揺らした。
シティの1−0で折り返した後半は、メンバーが大きく入れ替わったこともあり、前半のテンションからはややペースダウン。酷暑の中で消耗度を考えてプレーし、長くスコアも動かなかった。
試合が再び前半と同じように熱を帯びたのは、残り10分を切ってからだった。両チームともにどよめきを誘うプレーが出始め、クロスから好機を作り合う。そんな中でこの試合の『2点目』を記録したのは、若い選手を数多くピッチに送っていたバイエルンだった。
81分、後半から登場したマネが攻め上がったクレツィヒにパスを出す。クレツィヒはドリブルでボックスまで進入し、中央へパス。これに反応したヴァナーのシュートはGKに弾かれたが、こぼれ球をテルが押し込み、バイエルンが同点に追い付いた。
そのまま1−1で決着かと思われた86分のことだ。3日前の横浜FM戦同様、シティは点を入れられた後にギアを入れ直していた。CKの流れからフォーデンが放ったシュートがDFに止められると、こぼれ球にラポルテが反応。ボールを素早くプッシュして勝ち越しに成功した。
先制点に至る場面や後半の失点後の振る舞いに顕著だったが、シティはここが攻め時とチームが共有した際に、相手の嫌がるところへボールを動かしてみせる。それは大きくメンバーが代わっても、展開できる強みになっていた。25日に来日し、翌日に試合に臨んだバイエルンよりもコンディション面で優位であったのは間違いない。ただ、攻めの多彩さと迫力はさすがのひと言。2−1で勝ち切ったのも当然だった。
▼出場メンバー
・バイエルン◎GKヤン・ゾマー(46分:スヴェン・ウルライヒ)、DFヌサイル・マズラウィ(46分:ブナ・サール)、バンジャマン・パヴァール(46分:アントニオ・ティクビッチ)、ダヨ・ウパメカノ(46分:ヨシップ・スタニシッチ)、アルフォンソ・デイヴィス(46分:フランス・クレツィヒ)、MFジョシュア・キミッヒ(46分:レオン・ゴレツカ)、コンラット・ライマー(46分:ライアン・グラフェンベルフ)、リロイ・ザネ(46分:サディオ・マネ)、ジャマル・ムシアラ(46分:ガブリエル・ヴィドビッチ→82分:アリヨン・イブラヒモビッチ)、キングスレー・コマン(46分:パウル・ヴァナー→82分:アレクサンダー・パヴロビッチ )、FWセルジュ・ニャブリ(46分:マティス・テル)
・マンチェスター・シティ◎GKエデルソン、DFカイル・ウォーカー(46分:ジョアン・カンセロ)、ジョン・ストーンズ(46分: オスカー・ボブ)、ルベン・ディアス(46分:ロドリ)、ナタン・アケ、MFリコ・ルイス(46分:アイメリック・ラポルテ)、マテオ・コバチッチ(46分:カルビン・フィリップス)、ジェームズ・マカティー(46分フィル・フォーデン)、FWベルナルド・シウバ(71分:マキシモ・ペッローネ)、フリアン・アルバレス(46分:アーリンググ・ハーランド)、ジャック・グリーリッシュ(46分: セルヒオ・ゴメス)