上写真=ペップ・シティとしては7度目の挑戦でついに優勝を成し遂げた!(写真◎Getty Images)
インテルの守備を隙を逃さずに崩したシティの強さ
圧倒的な攻撃力を見せつけてファイナルにたどり着いたマンチェスター・シティだが、インテルの整備された守備の前に、序盤からいい形でフィニッシュに持ち込めない時間が続いた。中を固く閉じる相手に対し、シティは守備陣形を広げてギャップを作り出したいところだったが、ボールを外へ動かすことを余儀なくされ、自然、ゴールから遠い場所でのプレーが多くなった。
6分に右から持ち込んで放ったベルナルド・シウバのシュートや27分にボックス左から狙ったハーランドのシュートなど、シティに全くチャンスがなかったわけではないが、インテル守備陣はほぼ背後を取られることはなく、常にシティの選手たちに監視を目を光らせ、狙い通りの守りで無失点を続けた。
36分には、シティのキープレーヤーであるデ・ブライネが負傷によりフォーデンと交代。チェルシーに敗れた2シーズン前の決勝でも途中で交代しているが、シティは前半からプラン変更を余儀なくされることになった。対するインテルはほぼプラン通り前半を終えたと言えるだろう。タイトな守りでシティの攻めを封じ込んだ。
試合が激しく動き出したのは65分を過ぎだった。シティが一瞬の隙をつく。CBのアカンジが敵陣まで出張ってスルーパスを供給。ボックス右からB・シウバが折り返すと、ボールはインテルのCBアチェルビに当たってゴール正面のエリアへ。そこにロドリが走り込み、右足を一閃。狭いコースを狙ったコントロールショットでシティが先制に成功した。
1点を追う形になったインテルも攻撃姿勢を強める。70分にはディマルコのヘッドがクロスバーを直撃。ジェコに代わってピッチに入っていたルカクを中心にゴールを目指した。
だが、決勝トーナメントに入ってからわずか3失点しか喫していないシティの守備も固い。終盤に訪れたインテルのビッグチャンス、ゴール正面から放ったルカクのヘディングシュートも、GKエデルソンが抜群の反応でかき出した。90+6分のCKの場面も、ニアサイドから狙ったゴセンスのバックヘッドをエデルソンがパンチングでセーブ。アディショナルタイムの5分間をきっちり守り切ったシティが1−0の勝利をつかんだ。固い守備と効率の良い攻撃を武器に決勝の舞台に上がり名門復活を印象付けたインテルも、6シーズン、悔し涙を流し続けてきたシティの思いの強さと、磨き上げてきた攻めの力には及ばなかった。
2016年にグアルディオラ監督が就任して以来、プレミアリーグを5回制し、国内カップも何度も手にしてきたシティだが、毎年優勝候補に挙げられながら決勝トーナメントで敗れ、ビッグイヤー(CLの優勝カップ)には手が届かなかった。しかし、ペップ体制となって7度目の挑戦で、ついに欧州制覇を成し遂げた。しかもプレミアリーグ、FAカップと合わせたトレブル達成。イングランド勢としては98ー99シーズンのマンチェスター・ユナイテッド以来の快挙達成である。
▼出場メンバー
・マンチェンスター・C:GKエデルソン、DFアカンジ、ジアス、アケ、MFストーンズ(82分:ウォーカー)、ロドリ、ベルナルド・シウバ、デ・ブライネ(36分:フォーデン)、ギュンドアン、グリーリッシュ、FWハーランド
・インテル:GKオナナ、DFダルミアン(84分:ダンブロージオ)、アチェルビ、パストーニ(76分:ゴセンス)、MFダンフリース(76分:ベラノーバ)、バレッラ、ブロゾビッチ、チャルハノール(84分:ムヒタリアン)、ディマルコ、FWラウタロ・マルティネス、ジェコ(57分:ルカク)