上写真=攻守に積極性を見せ続け、オランダを苦しめたエクアドル(写真◎Getty Images)
■2022年11月25日 カタールW杯A組(ハリーファ)
オランダ 1-1 エクアドル
得点者:(オ)コーディ・ガクポ
(エ)エネル・バレンシア
「勝ち点1に満足しないといけない」(F・デヨング)
攻撃サッカーの国として知られるオランダがエクアドル相手に攻撃の形をつくれず、わずか2本のシュートに終わった。結果は1−1の引き分けだった。
オランダの出足は上々だった。6分、ナタン・アケからステフェン・ベルフワインへの正確なくさびのパスが得点の起点になる。相手DFに当たってこぼれたボールをデイビー・クラーセンが拾い、スクリーンの動きを交えてコーディ・ガクポがショートパスを受け、左足で強烈なミドルシュートを決めて先制した。
エクアドルは23分、モイセス・カイセドのシュートを合図に攻勢をかける。前半アディショナルタイムにはアンヘロ・プレシアードのミドルシュートをペルビス・エストゥピニャンがゴール前でコースを変えてオランダゴールのネットを揺らしたが、ジャクソン・ポロソがオフサイドポジションに立っていたためノーゴールに。命拾いしたオランダは1-0のリードを保って前半を終えた。
後半はエクアドルの一方的なペースに。49分にはショートカウンターからエストゥピニャンがフリーでシュート。一度はオランダの守護神アンドリース・ノパートに防がれたが、こぼれ球をエースのエネル・バレンシアが蹴り込み同点に追いついた。これでバレンシアは今大会3ゴール目、ワールドカップ通算6ゴールとなった。さらにエクアドルは59分にゴンサロ・プラタが勝ち越しのチャンスを迎えるも、シュートは無情にもバーの下を叩いた。
中盤でボールの落ち着き所をフレンキー・デヨングの一カ所しかつくれないオランダはタイプの異なるMFを次々に投入して流れを変えようとしたが、エクアドルのボランチコンビ、カイセドとジェグソン・メンデスのフィルターが効いてボールを前に運べず。後半開始からピッチに入ったエースのメンフィス・デパイ、79分から投入されたスーパーサブのワウト・ウェフホルストも存在感を示すことはできなかった。
タイムアップの笛が鳴ると、フラストレーションからかボールを遠くへ蹴ったF・デヨングは「今日の我々は勝ち点1に満足しないといけない」と厳しい表情だった。
オランダとエクアドルはともに勝ち点4。得点数3、失点数1の数でも並びA組首位を分け合っている。両チームとも最終節で引き分け以上の勝ち点を収めれば決勝トーナメント1回戦進出を決める。