パリ・サンジェルマン(PSG)は25日、ジャパンツアーの最終戦、ガンバ大阪戦に臨んだ。最初から最後まで互いにゴールへの意欲を示した試合は、メッシ、ネイマール、エンバペ(MNM)にゴールが生まれたPSGが、6-2でG大阪に勝利し、ツアーを締めくくった。

上写真=アシスト、得点と勝利に貢献したメッシ(写真◎早浪章弘)

■2022年7月25日 PSGジャパンツアー2022 第3戦(@パナスタ/観衆38,251人)
G大阪 2-6 パリ・サンジェルマン
得点者:(G)黒川圭介、山見大登
    (パ)パブロ・サラビア、ネイマール2、ヌーノ・メンデス、リオネル・メッシ、キリアン・エンバペ

とても良い試合だった(ガルティエ監督)

 ジャパンツアー3戦目(最終戦)を迎えたPSGは、着実にコンディションを上げていた。この日先発したメッシもネイマールも、随所でキレのある動きを披露。高い技術にコンディションが伴えば、当然、チーム力も上がる。開始直後はG大阪のハイプレスにやや押されたが、自陣深い位置でも各選手が慌てずにポジションを取り、ボールを巧みに逃がしていく。5分過ぎからはペースをつかみ、G大阪ゴールを脅かすようになった。

 パススピードを変え、時にドリブルを組み合わせてG大阪陣内深く進入してみせる。PSGの選手たちは動くべき場所とタイミングを知っていた。それでもG大阪のGK東口の再三の好セーブに遭って、なかなかゴールを奪えなかったが、28分についにネットを揺らす。三浦のパスミスからサラビアがシュート。こぼれ球にメッシが詰めて先制に成功した。

 2点目はその4分後。三浦に倒されて得たPKをネイマールが決めた。直後の33分にG大阪も右からの小野瀬のパスを最後は黒川が蹴り込んで1点を返したが、ここからPSGは一気にギアを上げる。37分に左ウイングバックのメンデスがメッシの浮き球パスに反応。角度のないところから逆サイドのネットに突き刺さる強烈なシュートを決めた。

 そして前半終了間際の39分には、多くのPSGファン、サポーターが見たかったホットラインが開通する。左ボックス付近でボールをキープしたネイマールが中央に短いクロスを送ると、タイミングよく密集に飛び込んだメッシが合わせて4-1とした。

 後半も先にネットを揺らしたのはPSGだった。60分、今度は逆の順番でホットラインが通る。センターサークル付近からメッシの放ったスルーパスでネイマールが抜け出し、最後はGKもかわしてシュート。この日2点目を記録した。

 ゴールショーにスタジアムに集まった3万8251人のボルテージも上昇する中、今度はG大阪が鮮やかな得点シーンを生み出す。70分、黒川から右でラインの裏に飛び出した柳沢に浮き球パスを出すと、ダイレクトで中央へ折り返す。そこへ待っていたのは山見。見事な連係で1点を返した。

 その後、PSGもG大阪も交代選手がゴールへの意識を見せつつ、ゲームを進めていった。ゴール前の攻防が訪れるたびにスタンドがどよめいた。81分にはPSGの猛攻をG大阪の選手たちがゴールライン上で防ぎ切る。エンバペのシュートを藤春がクリアし、連続で放たれたシュートもG大阪守備陣が体を張ってストップした。

 42分には突破を図ったエンバペがボックス内で倒されてPKを獲得。これを自ら沈めて、PSGの6点目が生まれたが、合計8ゴールも試合内容は決して大味なものではなく、互いに緊張感のある中で前進する姿勢を示し、最後の最後まで攻め合う中でゴールを重ねたエキサイティングな内容だった。

「とてもいい試合でした。躍動感のある試合だったと思います。両チームともに常に攻撃しようと頑張っていた。その結果が、観客は8つのゴールを目にすることができた楽しい試合でした」

 2失点したことは「反省点」としながらも、PSGのクリストフ・ガルティエ監督はそう試合を振り返った。指揮官の言う通り、見る者を楽しませる試合になったのは確かだろう。ただ、まだまだ開幕に向けての準備段階。「2失点してしまった。そこは反省点」と気を引き締めることも忘れなかった。

 対する片野坂知宏監督は「PSGは中2日で、大阪の暑さもあり、コンディションが万全ではないことは分かっていますが、しっかりポジションを取れば、こういう相手ににもつなぐことができるというのが分かりました。そのことをこれから生かしていきたい」と語り、敗戦を前向きにとらえた。

 PSGはジャパンツアーを3戦全勝で終え、7月31日にシーズンの幕開けを告げるフランス・スーパーカップに臨む。そしてG大阪は強豪クラブとの試合で得た手応えと課題をしっかり見つめ、残留争いから脱するべく、30日のJ1再開に向けて準備を進めていく。


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