U-21日本代表が挑んだAFC U-23アジアカップは、サウジアラビアの優勝で幕を閉じた。日本は3位で大会を終え、優勝こそ逃したものの全6試合を戦ってかけがえのない経験値を得た。大岩剛監督がオンライン会見で、ポジティブな大会だったと総括した。

上写真=日本はオーストラリアを下して3位に。さまざまなアクシデントを乗り越えた(写真◎AFC)

「タフさは今後も引き続き求めていきたい」

 U-21日本代表がウズベキスタンで戦ったU-23アジアカップは、6月19日の決勝で幕を閉じた。優勝したのはサウジアラビア。日本がグループステージで0-0で引き分けた相手である。

 パリ五輪世代で臨んだ日本は、3位。

「求めていた結果ではなかったですけれど、数多く試合をこなすことで一緒にいる時間が長くなり、チームとして進んでいく道を全体で共有することができたと思います。これを次の活動の機会に生かせていけたらいいと感じました」

 チームを率いた大岩剛監督はまず、目標としていた優勝を逃した悔しさと、6試合を戦うことによる経験という収穫についてまっさきに触れた。

「非常に大会自体がタフで、過酷な条件がありましたけど、選手全員で戦うことによってトライアンドエラーがあり、それを修正しながら大会が進んでいきました。選手だけではなくてスタッフもさまざまな条件の中で戦う経験は、非常にポジティブでした」

 気温40度にもなる酷暑の中で、中2日での連戦。VARの助言による退場者も出し、新型コロナウイルス感染症の陽性者も出る中で、あらゆる状況に即座に対応するしたたかさが求められた。大岩監督が大会前から強調していたのも、その部分。

「発足当時から言っていることですが、タフさとか選手全員で戦うことは大前提です。ブレずに選手自身も全力で勝ちにいく準備を非常に前向きにやってくれました。それがあったからの(3位という)成績だと思います。肉体的なタフさ、チームのコンセプトやスタイル、ピッチでやるべきことを共有できて、頭の中で整理されている中で向かったからこそ、勝ち上がることできました。そういうタフさは今後も引き続き求めていきたい」

 その意味ではやはり、悔やまれるのが準決勝だろう。準々決勝で2歳年上の韓国に3-0で快勝して臨んだ、地元ウズベキスタンとの一戦。ウズベキスタンの観客に準々決勝で投石などの危険な行為があったとして地元サポーターが入場できないという雰囲気の中での一戦だったが、終始体が重く、0-2で敗れた。

「大会の​​5試合目でしたが、大会に向かう上でいろいろなシミュレーションをして臨みながら、グループステージの戦い方や選手起用の方法はコーチングスタッフでいろいろな議論をして決めていきました。しっかりと準備してきたこともありますし、アクシデントを含めてメディカルスタッフともフィジカル面の細かい共通認識を持っていかなければいけないなと感じました。いけるつもりで選手を送り出すわけですが、うまくいかなかったときはどうするか。緻密にやっていかなければいけないと感じさせられました」

 3位決定戦では、メンバーを代えながらしっかりと心身ともに回復させ、オーストラリアに3-0で快勝した。これでパリ・オリンピック予選となる予定の次回大会で組分けの際にポット1に入ることが確実視されており、グループステージで強豪との対戦を避ける可能性が高まった。

 16チームで戦うパリ五輪は、アジアに3・5の枠が振り分けられた。プレーオフはアフリカと戦うことになる。全6試合を4勝1分け1敗、得点11失点3で終えた経験を、パリへとつなげていく。

AFC U-23アジアカップウズベキスタン2022
U-21日本代表の記録

【グループD】
・第1節 2022年6月3日 パフタコール・スタジアム
UAE 1-2 日本
得点:(U)アルブルーシ(日)鈴木唯人、細谷真大

・第2節 2022年6月6日 パフタコール・スタジアム
日本 0-0 サウジアラビア

・第3節 2022年6月9日 ブニョドコル・スタジアム
日本 3-0 タジキスタン
得点:(日)松木玖生、佐藤恵允、中島大嘉

※2勝1分け得点5失点1勝ち点7でグループ2位となり、準々決勝に進出

【準々決勝】
2022年6月12日 パフタコール・スタジアム
日本 3-0 韓国
得点:(日)鈴木唯人2、細谷真大

【準決勝】
2022年6月15日 ブニョドコル・スタジアム
ウズベキスタン 2-0 日本
得点:(ウ)ジャロリディノフ、ノルチャエフ

【3位決定戦】
2022年6月18日 パフタコール・スタジアム
日本 3-0 オーストラリア
得点:(日)佐藤恵允、オウンゴール、藤尾翔太


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