上写真=鈴木唯人が2ゴール。もう1点もそのシュートからで、全得点に絡んだ(写真◎AFC)
■2022年6月12日 AFC U23アジアカップ準々決勝(@パフタコールS)
韓国 0-3 日本
得点者:(日)鈴木唯人2、細谷真大
守っても集中切らさずクリーンシート
韓国は23歳以下、日本は21歳以下。その年の差はまるで逆であるかのようだった。日本がスコア、内容とも文句のつけようなく韓国を圧倒する快勝を収めた。
日本はグループステージはD組を2位で、韓国はC組を1位で突破。準々決勝でいきなり因縁の日韓戦となった。お互いに様子をうかがうような静かな立ち上がりから、最初のチャンスをつかんだのは日本。19分に馬場晴也からのロングパスで右に抜け出した細谷真大が、ワントラップから鋭いシュートを見舞った。このあと鈴木唯人が中盤から持ち運んだところでファウルを誘い、ゴールやや左、20メートル弱の距離からのFKを獲得する。
キッカーはその鈴木唯。鋭く右足を振るとボールは壁に当たってホップしたあとにドライブして落ち、バーの下に当たってゴールに飛び込んだ。22分、日本先制!
30分過ぎからは日本のバランスの良いプレスが効き始めて、セカンドボールを回収しながら主導権を握る。37分にはビッグチャンス。左からの斉藤光毅のパスに細谷が抜けて左足で強烈なシュート、GKにブロックされたボールを今度は中に入れ、逆サイドから詰めてきた藤尾翔太が狙ったがDFに当たった。
前半終了間際にも連続でビッグチャンス。45+1分、右深くで相手より一歩前に出た藤尾が抜けて折り返し、細谷が左足で合わせるがライン上でクリアされる。2分後には藤田譲瑠チマ、鈴木唯とつないで中央の狭いところに進入した斉藤へ、ワントラップからのシュートはGKに防がれた。
この2つのシーンは象徴的で、ルーズボールに相手より先に反応して奪ってから仕掛けたショートカウンター。先制点となったFKも、山本理仁のインターセプトがきっかけで奪ったものだった。明らかに韓国よりも鋭い出足で、前半を支配した。
後半は開始から2人を代えてきた韓国に押し込まれる時間が続いた。49分、56分、60分と連続でピンチを迎えるが、これをしのぐと、日本の時間がやってくる。
後半から登場した佐藤恵允が63分に左を抜けて折り返すと、細谷がニアで合わせた。シュートは右に切れる。しかし、その2分後、右から藤尾が戻したボールを鈴木唯が相手の股を抜いてから強烈なシュート、GKが弾いたところに細谷が突っ込んでプッシュして、ようやく追加点を手に入れた。
勝利を決定づける3点目が生まれたのは80分。藤田が相手をいなして右に預けると、内野貴史が中央へ、鈴木唯が巧みに時計回りにターンしてから左足でゴール左を射抜くパーフェクトなショットを決めてみせた。
「まずは韓国さんが相手ということで、自分自身モチベーションが高かったし、この試合は何が何でも勝利しようと臨んで、全得点に絡んでうれしいです」
主君の鈴木唯はにこりともせずに振り返った。
守ってはセンターバックの馬場とチェイス・アンリ、GK鈴木彩艶が揺るぎなく、クリーンシートを達成。攻めても守っても韓国を寄せつけずに、ベスト4へと進出した。
準決勝は地元ウズベキスタンが相手。「まずは一戦一戦一丸となって戦うことで、自分たちの目指すところにたどり着けると思います」と鈴木唯は力強い。完全アウェーでもひるまずに、たくましく突き進む。