上写真=値千金のゴールを挙げたレアル・マドリードのベンゼマ(写真◎Getty Images)
互いに譲らぬ戦いは延長戦へ
激闘を制したのは、レアル・マドリードだった。カリム・ベンゼマのハットトリックにより、第1レグをアウェーで3-1と制し、リードを手にしてホームに戻ってきたレアル・マドリードだったが、第2レグは点を取りにいくしかないチェルシーの勢いに後手を踏む。中盤でボールをロストし、次々と背後から人が飛び出してくるチェルシーのスピーディーな攻撃に防戦一方になった。
前半15分にメイソン・マウントに先制を許し、後半51分、75分にアントニオ・リュディガー、ティモ・ヴェルナーにそれぞれ決められて、合計スコア3-4と逆転を許してしまった。
勢いは完全にチェルシーだった。しかし、それまで劣勢だったレアル・マドリードの鬼才がワンプレーでゲームをイーブンに戻してみせる。左サイドでボールを受けたルカ・モドリッチはスッと前を向くと、右足をアウトサイドでひっかけるようにボールをすくってボックス右へボールを供給。そこにカゼミロに代わって交代出場したばかりのロドリゴ・ゴエスが走り込み、見事ネットを揺らした。
まさに点と点で合わせるようなゴールで2合計4-4となると、試合は90分で決着つかず、延長戦に突入。その前半早々、第1レグで輝いた男がついに目覚める。左サイドからボックスに進入したヴィニシウス・ジュニオールのふわりと浮かせたボールに飛び込み、ベンゼマがヘッド。ついに2試合合計で5-4とする勝ち越しゴールを決めてみせた。
ポゼッション(57%対43%)もシュート数(28本対10本)も、まさっていたのはチェルシーの方。しかし、一時は合計スコアで逆転を許しながらもレアル・マドリードは諦めなかった。ナチョの負傷交代するなど難しい戦いとなる中で、勝ち越しに成功。チェルシーに昨季準決勝で敗れた雪辱を果たし、4強進出を決めた。