2024年のパリ五輪出場を目指すチームが一つの結果を手にした。UAEで開催された「ドバイカップU-23」で3連勝を飾り、U-21日本代表チームが優勝を飾ったのだ。大岩剛監督就任後、初めて国際試合となったが、タフに戦い、勝利への意欲をピッチで示し、そしてタイトルを手にした。

上写真=決勝でサウジアラビア戦を下した、U-21日本代表。ドバイカップU-23の優勝を果たした(写真◎JFA/PR)

■2022年3月29日 ドバイカップU-23決勝(@UAE・ドバイ)
日本 1-0 サウジアラビア
得点:(日)細谷真大

・日本のメンバー:GK佐々木雅士、DF内野貴史、チェイス・アンリ、西尾隆矢、加藤聖、MF山本理仁、田中聡(44分:松村優太)、藤田譲瑠チマ、斉藤光毅(61分:荒木遼太郎)、FW鈴木唯人(87分:川崎颯太)、細谷真大(87分:成瀬竣平)

可能性しかないと感じています(大岩監督)

 U-21日本代表にとってチーム立ち上げ後、初の国際大会だった。準備期間がそれほどない中で臨ん大会であり、経験を積む目的が大きいとも思われたが、大岩剛監督が勝負へのこだわりを選手に求めたためか、チームは意欲的で、デフォルトで戦く姿勢を備えていた。初戦でU-23クロアチアを1-0と下すと、中2日で臨んだU-23カタール戦は2-0で快勝。大会のレギュレーションにより、3戦目は順位決定戦だったが、連勝した日本はU-23サウジアラビアと決勝を戦うことになった。

 決勝の相手であるサウジアラビアは今年6月に参加するU-23アジアカップで同組となり、グループステージで対戦するライバルだ(他にUAEとタジキスタン)。アジアの強豪国相手とタイトルのかかった試合で対戦できる貴重な機会に、日本はいまのベストを出し切る姿勢を示した。

 まだコンビネーションが熟成された段階ではないはずだが、互いの持ち味を引き出し合う関係を築きつつあると映る。ボールを持てば前進を試みて、守備に回れば素早い切り替えで相手に鋭くアプローチ。各々のサポート意識も高く、『初陣』でありながらもチームとしてのまとまりを見せ始めた。大岩監督が繰り返し言及していたインテンシティーの高さも、選手はしっかり発揮してみせていた。

 日本の先制点は20分のことだ。右CKの場面で山本の蹴ったボールを細谷が頭でとらえ、ネットに突き刺した。その後、特に後半は相手にボールを握られる時間が長くなり、苦しい戦いを強いられることになったが、日本は守りに入らず、かといってむやみにリスクを冒すこともなく、勝利をもぎ取った。

「しっかりと自分たちで勝ち切るというところにフォーカスして試合に入ったんですけど、戦術的でもフィジカル的な部分もいろんなことを感じながらプレーしてくれたと思います。この遠征に来れたことも感謝の気持ちでいっぱいですし、これから日本に戻りますけど、今は良い遠征だったと言える気持ちでいます」

 コロナ禍であり、クラブ事情による制限もあるなかで、Uー21日本代表は選手個々が特長を出すことを目指して戦って一つの結果を得た。指揮官はその意味について語った。

「このチームを立ち上げて日は浅いですけど、遠征で、全員がそろって日常をともにすることで、チームが少しずつ前に進んでいることを実感できました。非常にいい時間になりました。優勝できたこともそうですが、アジアの対戦相手の質も体感できた。今後に向けての有意義な大会になったと思います」

 そして大岩監督は選手たちについて、こう強調した。

「年代を考えれば可能性しかないと感じています」

 優勝から始まったパリ五輪へ続く道。小田裕太郎が途中で離脱し、この日も田中聡が途中交代するなどケガ人が出たことは残念だったが、大岩監督と選手たちは、まずまず望む形でスタートを切ったと言える。


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