U-21日本代表が3月29日(日本時間30日)、ドバイカップU-23でU-23サウジアラビア代表との決勝に挑む。パリ・オリンピックを目指すチームの初の海外遠征で、守備の要の一人、西尾隆矢は1対1への絶対的な自信を胸に渡り合っている。最近は周囲からたくましくなったと言われることが増えたようで、その理由は「わからない」と言うが…。

上写真=西尾隆矢は決勝となるU-23サウジアラビア戦へ「どんな試合もセットプレーが大事」と自らもゴールを狙う(写真◎スクリーンショット)

「成長した実感はある」

 デュエルへのこだわり。U-21日本代表の一員として遠征しているUAEはドバイの地で、西尾隆矢は力強く言葉にする。

「海外の相手だからといって別に勝てないと思っていないですし、負ける気はさらさらありません。どんな選手にも負けたくないから、次の相手ともアピールポイントの対人で負けないようにしていきたい」

 ドバイカップU-23では初戦のU-23クロアチア戦に出場して完封に貢献したが、相手が仕掛けてきたラフな挑発にも堂々と渡り合ってひるまなかった。それは単に、骨太の性格の持ち主だから、というだけではない。守備のテクニックの成果だ。

「試合が始まってから相手をずっと見て、癖を見つけることはいままでやってきました。クロアチア戦でもフォワードにごつい選手がいましたけれど、体を預けてくる選手だったのでひっつかずにやりました」

 相手の得意な形を封じるそんな細部の積み重ねで、デュエルは制していくものなのだ。単に体のぶつけ合いだけではなく、スピード勝負だけではなく、見えないテクニックに醍醐味がある。ピッチに入ると、180センチ77キロというサイズよりも大きく、たくましく見える。本人は「最近よくそう言われるけれど、自分でも理由がわからない」と笑うが、そんな細かな駆け引きに勝ち続けていることが理由の一つかもしれない。

 所属のセレッソ大阪では若き守備のリーダーとして信頼され、1月の日本代表の国内キャンプにも参加、今回はU-21日本代表としてこの遠征を通して成長を続ける。順風満帆に見えるが、自身でも成長の実感と、それに伴う新たな課題に向き合っている。

「僕自身の変化は、去年からJ1に出始めていて、1年ですごく成長した実感があります。でも、まだまだ足りていないことも明白に出ています。今年も自チームで試合に出て、代表でも呼ばれるようになって、でも僕としてはまだまだ何もできていない部分が多い。現状にとどまらずに上を見て、A代表も目標なので成長していきたい」

 大岩剛監督が掲げる「A代表経由パリ五輪行き」を体現する存在になってもおかしくはない。


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