大波乱だ。カタールW杯出場をかけて争われるヨーロッパ予選のプレーオフ・第2ラウンド(パスC)、イタリア対北マケドニアは、大方の予想を覆し、北マケドニアが1ー0で勝利した。EURO2020王者イタリアは予選敗退。2大会連続でW杯出場を逃すことになった。

上写真=北マケドニアに敗れた欧州王者イタリア。キエッリーニがフロレンツィを慰める(写真◎Getty Images)

シュート数はイタリア32本対北マケドニア4本

 まさかだった。試合はイタリア優位で進んでいた。北マケドニアにほとんどチャンスはなく、それまでシュートはわずか3本だった。だが、我慢を続けた北マケドニアに最後の最後に勝利の女神が微笑んだ。

 90+2分。ピッチ中央でゴールキックのこぼれを拾ったアレクサンダル・トライコフスキがボックス手前までボールを運び、思い切って右足を振り抜く。ボールはGKジャンルイジ・ドンナルンマが伸ばした手の届かないゴール左下に突き刺さった。

 シュートの瞬間、イタリアのDFの数はそろっていた。しかし、寄せがやや甘くなる。よもやシュートを打ってくるとは思わなかったのかもしれない。そのスキを見逃さず、右足を振り切ったトライコフスキをほめるべきだろう。ただ、イタリアにとっては悔やんでも悔やみきれないプレーになった。

 この試合が行われたスタディオ・レンツォ・バルベラはイタリアのクラブ、パレルモのホームスタジアム。トライコフスキがかつてプレーしたクラブでもあった。北マケドニアのナンバー9は、勝手知ったる場所で値千金の仕事をやってのけたことになる。

 失点後、欧州王者は総攻撃もかけるも、ついぞネットは揺らせず。試合終了のホイッスルが鳴ると、イタリアの選手たちはピッチに崩れ落ち、北マケドニアの選手たちはベンチメンバー、スタッフも含めて歓喜の輪をつくった。

 FIFAランキングでは、イタリアが6位であるのに対し、北マケドニアは67位。下馬評はもちろん、イタリアが優勢だった。試合で放ったシュート数もイタリアの32本に対し、北マケドニアは4本。どちらが押していたか明白だろう。しかし、勝ったのは北マケドニア。予想を覆し、欧州王者を撃破した。この結果、イタリアは2大会連続で予選敗退。W杯出場を逃すことになった。

 3月29日の欧州プレーオフ・パスC決勝では、トルコを下したポルトガルと北マケドニアが対戦。勝った方が、カタールW杯の出場権を手にする。


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