7月31日に準々決勝を迎えた東京オリンピックのサッカー男子。グループBで首位通過の韓国とグループAで2位のメキシコが横浜国際総合競技場で対戦した。オリンピックでは3大会連続での対戦で、前回は韓国が勝っているが、大量6ゴールを奪ったメキシコがリベンジに成功した。

上写真=エンリ・マルティンは2ゴールのほかにも前線で脅威であり続けた。次はブラジルが相手だ(写真◎Getty Images)

■2021年7月31日 サッカー男子準々決勝(@横浜国際総合競技場)
メキシコ 6-3 韓国
得点者:(メ)エンリ・マルティン2、ルイス・ロモ、コルドバ2、エドゥアルド・アギーレ
    (韓)イ・ドンギョン2、ファン・ウィジョ

・メキシコメンバー:GKオチョア、DFブラディミル・ロロナ、モンテス、ホアン・バスケス(80分、ヘスス・アンフロ)、サンチェス、MFコルドバ(73分、フェルナンド・ベルトラン)、エスキベル、ルイス・ロモ、FWアントナ(73分、ライネス)、エンリ・マルティン(78分、エドゥアルド・アギーレ)、アレクシス・ベガ(78分、リカルド・アンフロ)
・韓国メンバー:GKソン・ボムグン、DFソル・ヨンウ、チョン・テウク、パク・ジス(81分、キム・ジェウ)、カン・ユンソン(46分、ウォン・ドゥジェ)、MFキム・ドンヒョン(46分、クォン・チャンフン)、キム・ジンギュ(46分、オム・ウォンサン、71分、イ・ガンイン)、イ・ドンジュン、イ・ドンギョン、キム・ジンヤ、FWファン・ウィジョ

3大会連続同カードはメキシコに軍配

 韓国とメキシコはオリンピックでよく当たり、今回は3大会連続で対戦することになった。2012年ロンドン大会はグループステージ初戦で0-0のドロー。16年リオ大会は同第3戦で戦い、韓国が1-0で勝って準々決勝に進んでいる。

 韓国は今大会のグループステージで10ゴール。これは参加16チームで最多の数字で、その攻撃力をぶつけてベスト8進出をもぎ取りたいゲームだ。メキシコにとっては前回の借りを返す絶好の機会だった。

 試合は序盤から出入りの激しい展開になった。12分に先制したのはメキシコ。左からのアレクシス・ベガのクロスをファーでルイス・ロモがヘッドで中央に戻し、エンリ・マルティンがヘッドで押し込んだ。韓国も攻めて、20分にキム・ジンギュが左から持ち上がり、中央へ、イ・ドンギョンが自慢の左足でゴール右に送り込むきれいなミドルシュートで振り出しに戻した。

 ここからはメキシコの時間。30分にベガの裏へのパスで抜け出したロモが柔らかいトラップから豪快に突き刺すと、39分にはPKを獲得してコルドバが冷静に決めて、一気に3-1と差を広げた。

 あきらめない韓国は後半から3人を交代させて攻撃にパワーを掛け、51分にそれを実らせる。ペナルティーエリア内で相手のクリアが小さくなってはね返ったところにいたイ・ドンギョンがまたしても左足を思い切り振り抜いて、ゴール右に豪快に突き刺した。これで1点差として試合がわからなくなった、と思った矢先に、またもやメキシコが突き放すのだった。

 54分、左からのコルドバのFKに中央でヘッドで送り込んだのは、またしてもマルティン。VARチェックでオフサイドの有無が確認されたが、このままゴールが認められてこれで4-2。63分には右サイドを崩して内側のレーンで受けたコルドバが左足を鋭く振り抜くと、パワーの乗ったボールがバーの下側に当たってそのままゴールに勢いよく飛び込んだ。

 続けて、途中から交代で入っていたコンビで追加点。84分、右サイド深くでライネスが得意の細かいステップのドリブルで相手を手玉に取り、マイナスに折り返すと、エドゥアルド・アギーレが強引に腰を回してねじ込んで、ついに6点目を奪った。

 89分には韓国が左CKから最後はファン・ウィジョがヘッドで押し込むが、笑顔はなし。ほかにも韓国にチャンスがなかったわけではないが、そのたびにGKオチョアが立ちはだかって止められた。

 メキシコは3失点はしたものの韓国を大量得点で破り、前回大会のリベンジを果たしつつ、ベスト4進出を決めた。準決勝ではブラジルと対戦する。


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