7月30日のサッカー女子準々決勝。横浜国際総合競技場では、グループステージで21ゴールと強烈な得点力を誇ったオランダと、女子サッカー界の女王、アメリカが激突するビッグマッチが行われた。オランダが先制しながらアメリカが逆転、それでもオランダが追いつく展開で、最後はPK戦までもつれ込んだ熱戦は、アメリカが勝利を収めてベスト4入りを果たした。

上写真=アメリカがPK戦を制して準々決勝を突破!(写真◎Getty Images)

■2021年7月30日 サッカー女子準々決勝(@横浜国際総合競技場)
アメリカ 2-2(PK4-2)オランダ
得点者:(オ)ビビアネ・ミーデマ2
    (ア)サマンサ・ミューイス、リン・ウィリアムズ

・オランダメンバー:GK1サリ・ファンフェーネンダール、DF2リン・ウィルムス、3ステファニー・ファンデルフラフト、4アニーク・ヌーベン、17ドミニク・ヤンセン、MF6イル・ルート(97分、ビクトリア・ペロファ)、14ヤッキー・フルーネン、10ダニエレ・ファンデドンク、FW7シャニセ・ファンデサンデン(63分、リネト・ベーレンスタイン)、9ビビアネ・ミーデマ、11リーケ・マルテンス
・アメリカメンバー:GK1アリッサ・ネイハー、DF5ケリー・オヘーラ、17アビー・ダールケンパー、4ベッキー・サワーブラン、2クリスタル・ダン、MF8ジュリー・アーツ、3サマンサ・ミューイス(57分、ローズ・ラベル)、9リンジー・ホラン、FW21リン・ウィリアムズ(57分、クリステン・プレス)、10カーリ・ロイド(57分、アレックス・モーガン)、7トビン・ヒース(64分、メーガン・ラピノー)

オランダは10ゴールのエースがPKを止められ…

 アメリカは、やはりしぶとかった。

 今大会のオランダはグループリーグで21得点と攻撃力が爆発、もちろん参加チームの中で最多だ。一方のアメリカは初戦でスウェーデンに敗れて、まさかの2位での通過。そのため、準々決勝でこのビッグマッチが実現した。このカードは2年前の2019年女子ワールドカップの決勝と同じで、2-0でアメリカが勝って優勝を決めている。オランダにとっては借りを返したいゲームだった。

 その思いが形になった。18分、右からのシャニセ・ファンデサンデンのクロスは相手に引っかかるものの、ダニエレ・ファンデドンクがこぼれ球をシュート。これも相手に当たるのだが、はねたところにビビアネ・ミーデマがいて、巧みにコントロールしてからゴール左へときれいに流し込んだ。

 だがやはり、アメリカは強い。28分にサマンサ・ミューイスが右に預けると、そのままゴール前に入っていってリン・ウィリアムズのセンタリングをダイビングヘッドで押し込んだ。3分後には右CKの流れから相手がクリアしきれないところを最後はウィリアムズが左スミに蹴り込んで、あっという間に逆転した。

 もちろん、オランダもこのままで終わらせるつもりはない。やはり頼りになるのはエースだ。54分、ビビアネ・ミーデマが左から中央に強引に持ち込んで右足を強振、鋭いシュートをゴール左に突き刺して、同点に追いついた。ミーデマはこれで今大会10点目で、得点ランクトップを突き進む。

 81分にはオランダにさらなるビッグチャンスが訪れる。リネト・ベーレンスタインが倒されてPKを獲得。逆転のチャンスに、リーケ・マルテンスが右を狙って蹴ったボールはしかし、GKアリッサ・ネイハーが読み切ってはじき出した。

 結局、2-2のまま延長戦に入るのだが、オランダが優勢でありながらアメリカもカウンターで対抗。2度のゴールがオフサイドで取り消されたこともあり、ゴールは生まれなかった。

 そしてPK戦では、再びアメリカのGKネイハーが輝いた。オランダの1人目のミーデマ、4人目のアニーク・ヌーベンのキックを、どちらも右に跳んでストップ。81分のPKストップを合わせて3つのスーパーセーブで、アメリカをベスト4に連れて行った。

 オランダはまたもアメリカの前に倒れることに。10ゴールでチームを引っ張ってきたミーデマが、最後にPKを止められるというドラマにのみこまれた。アメリカは準決勝で、同じくPK戦で勝ち上がった隣国カナダと対戦する。


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