東京オリンピックのサッカー女子は7月30日に準々決勝が行われ、宮城スタジアムではグループEを2位で勝ち抜いたカナダと、グループFを同じく2位で突破したブラジルがベスト4の座をかけて激突。前回リオ大会の3位決定戦で対戦していて、カナダが勝利。ブラジルはリベンジに挑んだが、PK戦の末に、カナダに軍配が上がった。

上写真=カナダがブラジルをPK戦で下してベスト4へ!(写真◎Getty Images)

■2021年7月30日 サッカー女子準々決勝(@宮城スタジアム)
カナダ 0-0 (PK4-3)ブラジル

・カナダメンバー:GK1ステファニー・ラビー、DF10アシュリー・ローレンス、14バネッサ・ジル、3カディーシャ・ブキャナン、2アリシャ・チャップマン(109分、ジェード・リビエール)、MF11デジレー・スコット、17ジェシー・フレミング、5レベッカ・クイン(63分、ジュリア・グロッソ)、12クリスティン・シンクレア、FW16ジャニン・ベッキー(105+2分、アドリアナ・レオン)、15ニシェル・プリンス(63分、ディアン・ローズ、114分、ジョーディン・フートマ)
・ブラジルメンバー:GK1バーバラ、DF13ブルーナ・ベニテス、3エリカ、4ラファエレ、6タミレス、MF17アンドレシーニャ、8フォルミガ(73分、アンジェリナ)、7ドゥダ(102分、アンドレッサ)、10マルタ、FW16ベアトリス(59分、ルドミラ)、9デビーニャ

2人のGKがファインセーブを連発

 ブラジルにとってはリベンジマッチだ。前回の自国開催のリオデジャネイロ・オリンピックでは、3位決定戦で敗れて4位。目前でメダルを取り逃した。そのときの相手が、カナダだった。今回は準々決勝で戦うことになった。カナダは前々回のロンドン大会、前回のリオ大会と連続で銅メダル。今回はそれ以上を狙って、ブラジルの挑戦を受けた。最新のFIFAランキングでもブラジルが7位でカナダが8位。実力が接近しているチーム同士、同じようにチャンスをつかんでいった。

 序盤はカナダの方にチャンスが多かった。21分にアシュリー・ローレンスが右からセンタリング、中央でクリスティン・シンクレアが受けるが打ちきれず。25分にはジャニン・ベッキーのポストプレーからジェシー・フレミングが狙うが左へ。29分にはニシェル・プリンスのスルーパスからベッキーが抜け出すが、シュートは左に切れていく。

 ブラジルは34分にドゥダがペナルティーエリア内で倒されてPKが与えられるが、VARチェックを経てオンフィールドレビューの結果、主審はPKを取り消し。40分には相手ミスを抜け目なく奪ったデビーニャがゴールに迫るが、飛び出してきたGKステファニー・ラビーにブロックされてしまう。

 後半もお互いが攻め合う出入りの激しいゲームになった。55分のブラジルのアンドレシーニャのミドルシュートはGK正面。59分、カナダの左からのFKに合わせたバネッサ・ジルのヘディングシュートはバーをたたく。71分、ブラジルのデビーニャのミドルシュートはGKラビーがセーブ。85分、カナダはロングパスで抜け出すが、ローズのシュートはわずかに遅れてDFがブロック。

 足が止まってオープンな展開になる中、結局、ともに決めきれずに延長戦へ。最後はカウンターの応酬となったが、それでも0-0のまま終了のホイッスルを聞くことになった。これだけ引き締まったゲームになったのはGKのハイパフォーマンスのおかげで、カナダのラビー、ブラジルのバーバラともファインセーブを連発し、相手の足元に飛び込んでストップする恐れを知らないセーブを何度も見せて、ゴールを死守した。

 そして、PK戦ではこの2人がドラマを生んだ。最初の一人を止めたのはバーバラ。右に跳んで、長年カナダの女子サッカー界を引っ張ってきたリビングレジェンド、シンクレアのキックを止めた。ラビーも集中していた。ブラジルの4人目、アンドレッサの強烈なシュートを左に跳んで止めると、5人目のラファエレのキックにも同じく左へジャンプ、両手で弾き返した。

 ブラジルは5年前のリベンジはならず、大会をあとにすることになった。カナダは最後の最後でPK戦で逆転、劇的な幕切れでベスト4進出を決めた。


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