東京五輪の女子サッカーは7月24日に2日目。初戦から中2日という厳しい日程の中、グループFの中国とザンビアが対戦。ともに初戦で大敗しているだけに、勝利は必須だった。その意欲を示すように序盤から点の取り合いとなり、終わってみれば4-4。ともに勝ち点1を手にするにとどまった。

上写真=ザンビアが喜びのダンス。キャプテンのバンダ(11)は快足を飛ばしに飛ばして2試合連続のハットトリックという離れ業を見せた(写真◎Getty Images)

■2021年7月24日 サッカー女子1次ラウンドF組(@宮城スタジアム)
中国 4-4 ザンビア
得点者:(中)王霜4
   (ザ)レーチェル・クンダナンジ、バブラ・バンダ3

・中国メンバー:GK彭詩夢、DF李夢雯、李晴潼、王暁雪、羅桂平、MF繆斯雯(65分、劉靖)、楊莉娜、王霜、張馨(65分、肖裕儀)、FW楊曼(34分、烏日古木拉)、王珊珊
・ザンビアメンバー:GKヘーゼル・ナリ、DFエスター・シャムフコ(62分、マーガレット・ベレム)、アグネス・ムサセ、ルショモ・ムウェンバ、マリー・ウィロンベ(38分、マーサ・テンボ)、MFグレース・G・チャンダ、イリーン・ルング、アベル・チトゥンドゥ、バブラ・バンダ、レーチェル・クンダナンジ、FWオチュンバ・ルバンジ(77分、ヘレン・ムバンガ)

王霜が4点、バンダが3点

 初戦でザンビアはオランダに3-10、中国はブラジルに0-5と大敗しており、勝利はもちろん、できるだけ得点も重ねておきたい一戦だった。3つに分かれたグループのそれぞれ上位2チームと、3位チームのうち成績上位の2チームが準々決勝に進出というルールだから、得失点差が物を言う。

 その狙いからか、キックオフからどちらもはっきりと攻めに出た。中国は6分に王霜が右サイドからカットインして放った左足シュートが決まれば、ザンビアも15分には右からのクロスにレーチェル・クンダナンジがGKの前に入ってヘッドで流し込んだ。

 しかし、中国が連続ゴールでたたみかける。22分に左からのクロスをファーで待ち構えた王珊珊がヘッドで折り返し、またも王霜が胸トラップから流し込んで2-1とすると、1分後には再び王霜が王珊珊の落としを左足で蹴り込んでハットトリック、3-1とリードを広げた。

 ところが、ザンビアもあきらめることなく攻めて、クンダナンジの突破からPKを獲得。42分にバブラ・バンダがしっかりと決めて、1点差に詰め寄った。これが大きかった。

 この勢いをそのまま後半に持ち込んだことで、ザンビアが優位に立つ。後半開始早々の46分、カウンターから快足のバンダが長い距離を持ち込んで、そのまま左足でゴール右へ流し込むファインゴールで同点としたのだ。

 中国が52分に獲得したPKをはVARで取り消され、命拾いしたザンビアはここからさらに攻勢に出る。そしてついに69分、またもカウンターからバンダが抜け出してゴール右にていねいに転がし、ついに逆転に成功した。このゲームで初めてのリードを奪ったザンビアが、このまま逃げ切れるかどうか。

 しかし、まだ試合は終わらない。今度は中国がVARによってPKを獲得。これを王霜がしっかり決めてなんとこの日4点目で、ついに83分に同点に追いついた。しかしこの3分後に、カウンターに出たバンダを手で引っ張って倒した李晴潼に痛恨のレッドカード。中国は土壇場で1人少ない戦いを強いられることになった。

 ここからアディショナルタイムの5分までザンビアが勝利を狙ってゴールに迫るが、結局は実らず。組織的に崩した中国、パワーとスピードを生かしたザンビアと、ともに持ち味を発揮してたくさんのスリルとゴールを提供した試合が4-4のドローで終わりを迎えたのは、ある意味で妥当なのかもしれない。


This article is a sponsored article by
''.