ヨーロッパ最強国を決める蹴球の祭典『EURO2020』はグループステージ(GS)第1節を終えた。出場24カ国のうち、決勝トーナメントに進出できるのは16カ国。ネクストステージ進出のために重要な第2節を迎える前に、GS第1節をハイライトで振り返る。今回はD組からF組編(A組からC組は別記事)。死の組と言われるグループFで最初に笑ったのは、どの国なのか?

上写真=ドイツ戦でネットを揺らしたムバッペだが、オフサイドの判定で取り消しに。随所に違いを見せたものの、この試合ではノーゴールに終わった(写真◎Getty Images)

【EURO】無敗継続のイタリア、貫禄のベルギー! グループステージ第1節を一気見(A組、B組、C組編)

グループD・第1節
イングランド、リベンジスタート成る

■6月13日 GS第1節・グループD(@イングランド:ウェンブリー)
イングランド 1-0 クロアチア
得点:【イ】スターリング(57分)

画像: 決勝ゴールを決めたイングランドのスターリング(左)とマウント(写真◎Getty Images)

決勝ゴールを決めたイングランドのスターリング(左)とマウント(写真◎Getty Images)

 悲願は悲願のまま終わるのかーー。否、今回のイングランドは一味も二味も違う。そう思わせたのは、階段を登っていく条件がそろっているからだ。グループ最大の難敵にして最初の関門となったクロアチア戦を1-0でものにした。相手ゴールを何度も脅かしながら前半は無得点に終わるが、後半58分に鮮やかなコンビネーションからネットを揺らした。フィリップスがスペースに走ってウォーカーから縦パスを引き出し、ボールを収めると同時に中央へカットイン。ボックス内に走り込むスターリングにスルーパスが通り、イングランドが見事に先制に成功した。その後はクロアチアの攻勢に遭うが、集中した守備で跳ね返し、勝ち点3をつかみ取った。何より大きいのはメジャー大会でゴールできずにいたナンバー10の得点で勝ったこと。ロシアW杯の準決勝で屈した相手にリベンジし、チームはここから乗っていきそうな気配。グループステージをホームで戦えることも大きい。今回のスリーライオンズは、やはり違う。

画像: ■6月13日 GS第1節・グループD(@イングランド:ウェンブリー) イングランド 1-0 クロアチア 得点:【イ】スターリング(57分)

■6月14日 GS第1節・グループD(@スコットランド:ハムデン・パーク)
スコットランド 0-2 チェコ
得点:【チ】シック2(42分、52分)

画像: 破格の活躍でチェコに勝利をもたらしたシック。2点目のロングシュートは圧巻だった(写真◎Getty Images)

破格の活躍でチェコに勝利をもたらしたシック。2点目のロングシュートは圧巻だった(写真◎Getty Images)

 敵地に乗り込む形になったチェコだが、まるでホームゲームのようにピッチで躍動した。序盤からアグレッシブな守備と仕掛けで相手に圧力をかけていく。攻撃の主役になったのはシックだ。42分には左CKの流れからボールがいったんは右サイドへに移る。その間もボックス内でポジションを細かく修正し、クファルのクロスにヘッド一閃。フリーだったわけではないものの、自分の間合いでボールを叩き、見事に先制に成功した。その後、ホームアドバンテージを生かしてスコットランドも攻めに出たが、シックが再びネットを揺らしてみせる。しかもEURO史に残るような鮮烈な一撃で。後半52分、相手のミドルシュートの跳ね返りが、センターサークル付近にいたシックのもとに届いた。それを拾うと、ハーフウェーラインを越えるや否や左足を振り抜いた。距離にして45メートル以上はあっただろうか。ボールは緩やかに曲がりながらGKマーシャルの頭上を越えてゴールへと吸い込まれた。万能FWとして名高いシックによる2得点で、チェコが快勝した。

画像: ■6月14日 GS第1節・グループD(@スコットランド:ハムデン・パーク) スコットランド 0-2 チェコ 得点:【チ】シック2(42分、52分)

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