上写真=理事会後にJFAハウスにて会見が開かれた(写真◎J.LEAGUE)
不祥事を受けて社長が辞任
奈良クラブは2013年にJリーグ準加盟クラブに承認され、2015年からJFLに入会したが、昨年12月、JFL入会初年度から19年シーズンまで5年間にわたってホームゲームの入場者数を水増ししていたことが、外部からの通報により発覚。Jリーグは事実関係を確認の上、対応を検討すると発表していた。
そして30日に開かれた理事会で、Jリーグ百年構想クラブ資格の解除条件付き失格とすることが決定した。失格が解除されるには、「ガバナンス強化」「入場者数カウント方法の改善」「ステークホルダーからの信頼回復」の3つの事項が実効的に機能し、実践されていると理事会に判断されることが条件。奈良クラブが2021シーズンJ3クラブライセンス申請を行なうためには、今年6月に開催される理事会において失格が解除される必要がある。
Jリーグからの発表を受け、奈良クラブは公式サイトで「今回の決定を厳粛に受け止め、2月1日より新社長に就任される浜田満氏の指揮のもと、今後はこのようなことが再び起きないよう対策を徹底し、規定に則った運営に努めてまいります。また、ガバナンスの強化を図るとともに、役職員および関わるスタッフ全員のコンプライアンス意識を高め、再発防止、信頼回復に努めてまいります」と表明した。
奈良クラブは18年に麻織物の老舗『中川政七商店』の13代目である中川政七氏が株式会社奈良クラブを設立して社長に就任し、当時23歳だった林舞輝氏(現監督)をゼネラルマネージャーに迎えるなど、斬新な取り組みで注目を集めたが、今回の不祥事を受けて中川氏が1月31日付で社長を辞任。2月1日より新たな体制で運営することを発表していた。