東京五輪イヤーとなる2020年の日本サッカーについて語り合うイベントが開催され、カズをはじめ日本サッカー界のレジェンドが集結。思い出や裏話、来年への期待など多岐にわたった内容に、会場は大いに盛り上がった。

前園氏が選びたいオーバーエイジは…

 カズはスケジュールの都合で、冒頭30分間のみの出演で途中退席。残りの時間は岩清水、前園氏、川上氏、大仁氏が2020年東京五輪について語り合った。

 男子のU-23代表について、前園氏は「五輪世代で、これだけ海外組の選手がいるときは、まずなかった」と現状に触れ、「代表チームは限られた日数しか集まれない。自分のクラブで毎週試合をして、練習で修正して、また試合に臨む、の繰り返し。代表に行ったら(準備期間が)3日、4日で合わない部分もあると思うが、そこをアジャストしていくのが代表選手だと思う」とコメント。その上で「まだ結果は出ていないが、十分にポテンシャルがある選手たちが揃っているので、今まで以上に楽しみ」と期待を寄せた。

 また、気になるオーバーエイジ枠の選手について、川上氏から「前園さんだったら3人、誰を入れますか?」と質問が飛ぶと、「個人的に」と断ってから「大迫(勇也)選手、柴崎(岳)選手、吉田(麻也)選手を選びたいです」とピックアップした。これに川上氏から「本田圭佑選手を入れたい、って言っていませんでしたっけ?」と指摘が入ると、前園氏も「今ようやくオランダで試合に出てきていますから…」と苦笑いで返答。「最後まで誰が選ばれるか分からない。3人を(監督が希望する)ファーストチョイスで選べるかも分からないですが、なるべくベストメンバーで臨めたら。楽しみしかない」と続けた。

 なでしこジャパンについては、川上氏が「若い選手が期待に応えて、うまく伸びた。岩渕(真奈)選手などがうまくリードしながら、中堅、ベテラン、若手がミックスされて、すごく良い状態だと思う」と現状を分析。その岩渕がE-1選手権の途中で負傷離脱したことに触れ、「彼女はケガが多い。体調が良いとやり過ぎてしまうので、E-1でも調子が良かっただけに、ケガをしなければいいな、と思いながら見ていた。五輪まで自分の体とうまく相談しながらやってほしい」と語った。

 また岩清水は、「日テレ・ベレーザの後輩たちが多く活躍してくれていて、クラブでやり慣れているプレーもできている。代表は違う環境になるが、うまく適応できていると思います」とコメント。岩渕についても触れ、「岩渕選手は、私が代表にいた頃は一番年下で、末っ子という感じでしたけど、今はキャプテンマークを巻いて、自分たちが今までやってきたことを伝えようとしている側。そういった姿も応援したいし、後輩たちを成長させてくれていると思う」と評した。

 最後に来場者に向けて、岩清水は「2020年は東京で五輪があります。私たちの後輩が頑張りますので、女子サッカーの応援よろしくお願いします」、川上氏は「なでしこがもう一度、金メダルを目指して頑張りますので、ぜひ応援してください」と語りかけ、前園氏は「すごく大事な東京五輪の男女の結果が、次の(2022年のカタール・)ワールドカップにつながっていくと思う。ぜひ応援して、見て、サッカーを語る、こういう場があればうれしく思います」とメッセージを送った。

 また川上氏は「男子の決勝はチケットを持っているんです。閉会式も持っています。楽しみで仕方がない。男子の選手にも頑張ってほしい」と告白。トークショーの最後に会場が大きく沸いていた。

取材◎石倉利英 写真◎BBM、Getty Images、石倉利英

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